2021年8月16日 12:00
堤真一「自由で、なんでもできちゃう」『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロレポート
『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロより、ピーターパン:中島裕翔撮影:細野晋司
大まかな流れや設定は誰もが知る『ピーターパン』だが、エラの翻案である本作ならではの部分がある。まずトムは本作のオリジナルキャラクターで、ウェンディたちがネバーランドに行く理由もオリジナルだ。ピーターの描写は原作小説に近く、楽しいことが大好きな子供の無邪気さだけでなく、子供だからこその身勝手さや残酷さも描かれており、それはピーターの登場シーンでも強く印象付けられた。
そしてなにより大きく変わっているのは女性の描き方。前出のインタビューで黒木が「ある男性が女性に好意を抱く中で、『アイロンがけをしてるところが目に浮かぶ』とポジティブに話すシーンがあるんです。人によっては疑問を持たず、『ああ、温かい家庭を築きたいんだな』と受け取る方もいると思いますが、この作品は、『女性がアイロンをかけるものだ』ということに疑問を持って描かれています」と話した通り、ロスト・ボーイたちがウェンディに「お母さんになって」と言うこれまでの『ピーターパン』でもあった“女性の描写”一つひとつに“疑問”というスポットが当てられている。
『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロより、左からウェンディ:黒木華ミセス・ダーリング:石田ひかり撮影:細野晋司
『ウェンディ&ピーターパン』ゲネプロより、タイガー・リリー:山崎紘菜(左から2番目)