八木勇征の静かな決心「もう僕には、普通は要りません」
(撮影/映美)
「普通の日々は要らないと思っています」と静かに語る八木勇征の言葉は、静謐だった。その研ぎ澄まされた清々しさは、FANTASTICSのボーカルとしてデビューして以降、役者としても多様な経験を積んできた怒涛の歳月から滲み出てきたのか。11月15日(金)公開『矢野くんの普通の日々』にて、主人公・矢野くんを演じた八木に「普通とは何か?」と、率直に問いかけてみた。
フレッシュな10代を意識。キーワードは「純度100%」
本作で演じた高校生の矢野くんと、八木自身の年齢とは約10歳の差がある。「気持ちの面も含め、高校生らしいフレッシュさを意識した」と役作りについて触れた八木は、当初、新城毅彦監督からも「ちょっと落ち着きすぎちゃってるね。高校生に見えない」と演出を受けた裏側を明かした。
「池端杏慈さん演じる吉田さんと矢野くんが交換日記を始めるシーンがクランクインだったんですけど、二人の仲が深まる前の段階でセリフも少なかったせいか、少し大人びた雰囲気を作ってしまいました。そこから新城監督とも相談して、矢野くんの持ち前のピュアさや、いつも100%の感情で動く嘘のないところを表現しよう、と意識して演じるようになりました。」