ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2026のテーマは「大河」に決定!
ゴールデンウィークの風物詩として多くの観客を動員する“世界最大級のクラシック音楽祭”「ラ・フォル・ジュルネTOKYO(LFJ)」。 注目される2026年は、本国フランス・ナント同様「大河(レ・フルーヴ)」をテーマとして開催されることが発表された。
古から流域の⽂化や⾳楽の発展において中⼼的な存在であった大河は、作曲家や作品にも多大な影響を与えてきたことが知られている。その「⼤河」にスポットを当てつつ、ヨーロッパからロシア、アメリカ、インド、さらにはアフリカを周遊する⾳の世界旅⾏がテーマとなれば、その広がりは無限大だ。「大河」を軸とした⾳楽の旅に期待したい。
ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2026
2026年5月3日(日・祝)〜5月5日(火・祝)
東京国際フォーラム
https://www.lfj.jp/lfj_2026/
■2026年のテーマ「 LES FLEUVES― 大河 」への誘い
諸大陸を潤す大河をテーマに、ヨーロッパからロシア、アメリカ、インド、さらにはアフリカを周遊する“音の世界旅行”へと聴衆の皆さまを誘(いざな)います。古くから、河川は流域の 文化や音楽の発展において中心的な役割を演じてきました。クラシック音楽史上でも、河川は 音楽家たちに多大な影響を与え、直接的または間接的に数々の楽曲にインスピレーションを与えてきました。
モーツァルトやベートーベン、リスト、バルトークらの活動拠点であった楽都ウィーンおよびブダペストと特に強く結びついているヨーロッパ最⻑のドナウ川。ヨハン・シュトラウス 2世のワルツ《美しく⻘きドナウ》はよく知られています。スメタナは、チェコ共和国内で最⻑の川モルダウ(ヴルタヴァ)川からインスピレーションを得て、 交響詩 〈モルダウ〉 ( 《我が祖国》 )を作曲しました。フランス最⻑の川ロワール川のあるロワール渓⾕に王侯貴族たちの住居として建つ城々は、その⽂化的な活気によって、ジョスカン・デ・プレ、クレマン・ジャヌカン、クロード・ル・ジュヌといった作曲家たちに影響を与え、新たな⾳楽様式の出現を後押ししました。
さらにヨーロッパでは、スイス、ドイツ、オランダを流れるライン川から、沢⼭の名曲が⽣まれました。シューマンの交響曲第3番《ライン》はもとより、この⼤河を舞台とする「ローレライ伝説」も、ワーグナー( 《ラインの⻩⾦》 )やリストら、数々の作曲家たちの創作意欲を刺激しました。ロシアの「⺟なる川」と呼ばれるヴォルガ川は、有名な《ヴォルガ川の⾈歌》をはじめとする多くの⺠謡の題材となっています。古代都市バビロンの象徴でもあった名⾼いユーフラテス川は、 旧約聖書『詩篇』 の「シオン讃歌」など、数多くの聖なるテクストにもとづく⾳楽に登場します。
ヨルダン川は、イエス・キリストが洗礼を授けられた場所として知られ、クラシック⾳楽の重要なレパートリーに幾度もインスピレーションを与えてきました。
そして北アメリカ⼤陸のミシシッピ川は、ブルースおよびジャズの誕⽣と切っても切り離せません。この⼤河の流域、特にニューオーリンズで⽣まれた⾳楽ジャンルは、アメリカのみならず世界中の⾳楽に深い影響を与えました。 南アメリカ⼤陸のアマゾン川も、 ブラジル出⾝のヴィラ=ロボスや、コロンビア、 ペルー、 ベネズエラ、ボリビア出⾝の作曲家たちの⼿を介して、クラシック⾳楽のレパートリーに鮮明な刻印を残してきました。
■「ラ・フォル・ジュルネ(LFJ)」とは
「ラ・フォル・ジュルネ」は、1995年フランス西部の港町ナントで「クラシックの民主化」を掲げて誕生したクラシック音楽祭。世界中からアーティストが集い、一流の演奏を、1公演約45分、低料金で、朝から晩まで繰り広げます。日本では、2005年から毎年ゴールデンウィークに開催。有料公演のほか、誰でも気軽に演奏を楽しめる地上広場でのコンサートなどのオープンプログラム、マスタークラス、有料公演チケット(及び半券)の提示で参加できる数々のイベント(コンサート、子ども向けプログラム、講演会など)が行われ、子どもから大人まで楽しめます。
また、音楽祭期間中は、丸の内などの周辺エリアでもミニコンサートが行われ、街中が音楽一色に包まれます。