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『よみがえる浮世絵スピリット』東京富士美術館で 3章構成で解き明かす「近代木版画」の軌跡

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『よみがえる浮世絵スピリット』東京富士美術館で 3章構成で解き明かす「近代木版画」の軌跡


2026年4月12日(日)より、東京・八王子の東京富士美術館では、『よみがえる浮世絵スピリット明治の開化絵から新版画まで』が開催される。近年、同館にコレクションの一部を寄贈した神邊一善氏の旧蔵品を中心に、近代木版画の軌跡を「明治の浮世絵」「⽊版⼝絵」「新版画」の 3章構成で紹介する展覧会だ。

浮世絵といえば、葛飾北斎、歌川広重など、江戸時代後期に隆盛を極めた絵師たちが思い浮かぶが、実際には、彼らのような優れた絵師と、彫師、摺師らを束ねる版元との協業で生み出される多色摺の木版画だ。

『よみがえる浮世絵スピリット』東京富士美術館で 3章構成で解き明かす「近代木版画」の軌跡

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》 天保元〜3年(1830〜32)頃 東京富士美術館蔵
この浮世絵の伝統は、明治時代に入っても受け継がれ、絵師たちは西洋化していく新時代の風物を、舶来の化学染料による鮮烈な赤や紫を使用して表現した。これら文明開花の様相を描いた浮世絵は「開化絵」と言われるが、こうした新時代をあらわす浮世絵が生まれる一方で、西洋画の光の表現を取り入れながら、明治の風景の中に未だ残る江戸情緒を描いた小林清親のような絵師も人気を博した。

『よみがえる浮世絵スピリット』東京富士美術館で 3章構成で解き明かす「近代木版画」の軌跡

小林清親《海運橋 第一銀行雪中》 明治9年(1876)頃 横浜美術館(加藤栄一氏寄贈)[前期展示]
しかし明治20年代になると、浮世絵のような多色摺木版は、次第に新たな印刷技術に押され、その命脈は、文芸雑誌や小説の口絵など、挿絵の分野で保たれた。この「木版口絵」のセクションで、梶田半古や鈴木華邨によるモダンな女性像や時代の気分を教えてくれるのが、神邊一善氏が収集した木版口絵の数々だ。

『よみがえる浮世絵スピリット』東京富士美術館で 3章構成で解き明かす「近代木版画」の軌跡

梶田半古《菊のかほり(『文芸倶楽部』11巻13号口絵)》 明治38年(1905) 八王子市夢美術館蔵(神邊コレクション)
このように衰退の一途をたどっていた多色摺木版が息を吹き替えしたのが、大正から昭和前期にかけて制作された「新版画」の誕生だ。
版元の渡邊庄三郎が目指したこの芸術は、川瀬巴水や橋口五葉、吉田博ら当代の画家たちの近代的感覚と浮世絵の伝統技術を融合させることにより、それまでになく瑞々しい感性があふれた多様な作品を生み出した。職人たちの確かな技術に裏打ちされた、その光あふれる美しい作品は、ぜひ展覧会の会場で確かめたい。

『よみがえる浮世絵スピリット』東京富士美術館で 3章構成で解き明かす「近代木版画」の軌跡

川瀬巴水《東京二十景 芝増上寺》 大正14年(1925) 版元:渡邊木版美術画舗 町田市立国際版画美術館蔵[前期展示]
<開催情報>
『神邊コレクション受贈記念 よみがえる浮世絵スピリット ──明治の開化絵から新版画まで』

会期:2026年4月12日(日)〜6月21日(日)
[前期]4月12日(日)〜5月17日(日) [後期]5月19日(火)〜6月21日(日)
会場:東京富士美術館
休館日:月曜、5月7日木(※ただし5月4日(月・祝)は開館)
時間:10:00〜17:00(入館は~16:30)
料金:大人1,500円、大高生900円、 中小生500円
公式サイト:
https://www.fujibi.or.jp/exhibitions/3202604121/

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