完璧な相棒の“不安定さ”を描く。E・リリーが語る映画『アントマン&ワスプ』
マーベル映画最新作『アントマン&ワスプ』が31日(金)から公開になる。本作はタイトル通り、体長1.5センチのヒーロー、アントマンと、彼の頼れる相棒ワスプの物語だが、“ワスプ”ことホープ・ヴァン・ダインを演じたエヴァンジェリン・リリーは「彼女が“完璧な相棒”と言われたら、私は演技に失敗したと思うんです」と語る。強くて、有能で、アントマンのピンチを救うワスプは完璧なパートナーではないのか? リリーに話を聞いた。
本作の主人公のひとり、スコット・ラングはかつて人生のドン底にいた。前科があるせいで定職にありつけず、愛する娘と一緒に暮らすこともできなかった。仕方なく彼は空き巣に入り、忍び込んだ屋敷で、体長が1.5センチになってしまう不思議なスーツとスーツを開発した偏屈な男ピム博士に出会う。博士はかつて自分でスーツを着て、妻のジャネットと共に戦っていたが妻を失い、人の目を避けて暮らしていた。そんな折、未曾有の危機が彼らに襲いかかり、博士はスコットを“2代目アントマン”に指名する。
そこで彼を鍛えるために現れたのが、ピム博士の娘ホープだ。
彼女は格闘能力が高くて頭脳も明晰だが、母がいなくなったことが原因で父との間に確執があり、スコットに対しても容赦がない。前作の結末でホープは父と和解し、スコットとも仲良くなるが、彼女を演じたリリーは最新作でも「ホープの不安や孤独、もろさを演技で表現することを目標にした」と語る。「ホープは8歳の時に母親を失って、父親に頼りたくても不在で、彼女はひとりぼっちで育ったんですね。人間がひとりで成長していかなければならないことほど、さみしいことはありません。その結果、彼女は強くて有能な女性になりましたが、誰かと一緒に行動することを学ばないまま大人になってしまいました。相手に弱みを見せたり、時には誰かに頼ることを知らない女性なわけです」
最新作でホープは、“死んだ”のではなく、特殊スーツを着て縮み続けた結果として“量子の世界”に旅立った母を救うべく、父のピム博士と計画を練る。その過程で、親子は再びスコットと行動を共にし、ホープは“ワスプ”としてアントマンとタッグを組むことになる。
「彼女が“完璧な相棒”と言われたら、私は演技に失敗したと思うんです。というのも、私は彼女の不安定さを表現したいと思っていましたし、ホープはこの物語を通して、これまでに学んでこなかったこと、つまり誰かと一緒に行動することを知っていくわけですから」
彼女が語る通り、ホープ=ワスプは完璧な女性ではなく、アントマンとの関係もどこかぎこちない。それはアントマンがアベンジャーズと一緒に行動したせいで、特殊スーツの秘密が世の中にバラされてしまったことも関係しているが、多くの部分はホープの生い立ちに関係がある。そこでリリーは本作を演じる上で「ピム博士を演じたマイケル・ダグラスの演技から大きなインスピレーションを受けた」と振り返る。「母のいないホープは父を模範に育ったはずですが、ピム博士はご存知の通り、他人を寄せつけない人間なんです(笑)。結果として、他人に対する扱いの悪いピム博士と同じようにホープも育ったはずだと考えて演技を組み立てていきました」
このプランは結果として、映画のタイトルにもなっている“アントマン&ワスプ”の関係を描くことにも重要な役割を果たしたようだ。「ピム博士は他人は寄せつけないのに、なぜかスコットだけは彼の心の中に入っていくことができて、結果的にアントマンになるわけですよね? 同じようにスコットはホープの心の中にも入っていける人物なんです」
他人に心を開かないピム博士、彼を見て同じように育った娘ホープ=ワスプ、ふたりが愛する妻であり母ジャネット、そして頼りないけど相手の心の奥深くまで入っていける男スコット=アントマン。アクションシーンや謎に満ちたドラマだけでなく、主要な4人のキャラクターの関係の変化を見ることで、本作をより深く楽しめるはずだ。
『アントマン&ワスプ』8月31日(金)より全国公開
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