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本日開幕 30回目の開催「横浜国際舞台芸術ミーティング2025」(YPAM2025)国内外の多彩で刺激的なプログラムを展開

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本日開幕 30回目の開催「横浜国際舞台芸術ミーティング2025」(YPAM2025)国内外の多彩で刺激的なプログラムを展開

(c) JM Chabot



国際舞台芸術プラットフォーム「横浜国際舞台芸術ミーティング2025(YPAM2025)が、2025年11月28日(金)より、KAAT神奈川芸術劇場、男女共同参画センター横浜南、急な坂スタジオ、Art Center NEW、横浜赤レンガ倉庫1号館、東京藝術大学 元町中華街校舎、シャノアールほか神奈川県横浜市内の会場で開催される。同時代の舞台芸術に取り組む国内外のプロフェッショナルが、公演プログラムやミーティングを通じて交流する場を設けるとともに、一般の観客も楽しめる公演プログラムも展開する。

YPAMは1995年に「芸術見本市(Tokyo Performing Arts Market、TPAM)」として東京でスタート。2011年に「創造都市」横浜に移転し、開催を重ねてきた。アジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームのひとつとして国際的に認知され、今年が30回目の開催となる。

期間中は多彩なプログラムが展開されるが、舞台芸術に携わるプロフェッショナルの国際的ネットワーキングのための交流プログラムとして注目されるのが、YPAMエクスチェンジ」。各会場で舞台芸術にまつわる契約講座やショーイング、レセプションなどが行われる。また2011年以来、若手制作者の実験、海外からゲストディレクターを招いてのアジアの作品紹介、国際共同製作、新作委嘱など形を変えて実施してきた「YPAMディレクション」は、今回、実験的なプロジェクトの簡易プレゼンテーションとディスカッションからなるフォーラムとして再編成される。


そして観客として見どころのひとつとなるのが、完成度の高い作品をプロフェッショナルと一般の観客に広く紹介するフェスティバル的プログラム「YPAMショーケース」。コンセプトも規模もさまざまな7演目9作品が上演される。

本日開幕 30回目の開催「横浜国際舞台芸術ミーティング2025」(YPAM2025)国内外の多彩で刺激的なプログラムを展開

『ジェローム・ベル』(c) Laurent Philippe
『ジェローム・ベル』は、フランスの振付家ジェローム・ベルが初めて自らの物語を語り、これまでに経験した疑念、献身、失敗、熱狂を観客と共有した作品。環境への配慮から、この作品は常にその土地の俳優によって上演されるが、今回はパフォーマンスグループ「ダムタイプ」の活動で知られる川口隆夫がジェローム・ベルを演じる。
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『等晶播種』シュウ・ジャウェイ(許家維) + チャン・ティントン(張碩尹) + チェン・シェンユゥ(鄭先喻)Photo: Shintaro Yamanaka (Qsyum!)Courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]
台湾を拠点に国際的に活躍するアーティスト、シュウ・ジャウェイ(許家維)+チャン・ティントン(張碩尹)+チェン・シェンユゥ(鄭先喻)による『等晶播種』と『浪のしたにも都のさぶらふぞ』は、日本統治時代の台湾における砂糖産業を起点に台湾と日本の関係や近代化の記憶を辿る二部作。映像インスタレーションの『等晶播種』は、日本統治時代に雲林県・虎尾に建てられた製糖工場を舞台に、伝統的人形劇(布袋戲/ポテヒ)の語りの手法を用いて戦争、産業、近代化の記憶を浮かび上がらせる。『浪のしたにも都のさぶらふぞ』は、明治時代に福岡県・門司に建てられた製糖工場を舞台に、人形浄瑠璃、VR、モーションキャプチャーの「操る/操られる」原理を歴史の動力に見立てて台湾/日本の近代史を再訪する映像インスタレーション/パフォーマンスだ。

本日開幕 30回目の開催「横浜国際舞台芸術ミーティング2025」(YPAM2025)国内外の多彩で刺激的なプログラムを展開

『浪のしたにも都のさぶらふぞ』シュウ・ジャウェイ + チャン・ティントン + チェン・シェンユゥ(台湾)× YCAM Photo: Shintaro Yamanaka (Qsyum!)Courtesy of Yamaguchi Center for Arts and Media [YCAM]
『北朝鮮ダンス』は、韓国コンテンポラリーダンスのゴッドマザーと呼ばれるアン・ウンミの作品。
隣国・北朝鮮の人々が踊っているダンスについて自分が何も知らない事実に思い至った彼女が、北と南のダンスの違いと類似を探求し、それを乗り超え、新しい何かを発見しようとする、ユーモラスで真摯な試みだ。

本日開幕 30回目の開催「横浜国際舞台芸術ミーティング2025」(YPAM2025)国内外の多彩で刺激的なプログラムを展開

contact Gonzo×TS Crew (c) contact Gonzo
大阪拠点のパフォーマンス集団contact Gonzo と香港拠点のパフォーミングアーツ・グループ TS Crewによる『Bridging Bridge』は、ヨコハマダンスコレクション2025主催公演として実現する、彼らの初の長期にわたるコラボレーション。「橋を架ける」をテーマに、分断が進む世界の人間、文化、社会のあり方を深く考察する2年間のリサーチ&クリエイション・プロジェクトを日本と香港で実行、2025年11月に香港のフェスティバルFreespace Danceでの世界初演を経て、日本初演にのぞむ。

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アレッサンドロ・シャッローニ(イタリア) 「ある風景の中で」(c) Roberta Segata courtesy Centrale Fies
イタリアの振付家、アレッサンドロ・シャッローニによる公演「ある風景の中で」は、「回転」をめぐる実践や伝統舞踊のリサーチに基づく3作品、『ページをめくるのを怖がらないで』(ソロ)、昨年KYOTO EXPERIMENTで日本初演された『ラストダンスは私に』(デュオ)、『第三の対話:ある風景の中で』(コレッティーヴォ・チネティコとのコラボレーション)を一挙上演する。

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クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)『WAVES』メインビジュアル(c) LIU Chen-hsiang
さらに注目したいのは、台湾を代表するコンテンポラリーダンスカンパニー、クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)の『WAVES』。ヨコハマダンスコレクション2025主催による本公演は、中国語圏で最初のコンテンポラリーダンスカンパニーにして50年以上の歴史を持つクラウド・ゲイト・ダンスシアターによる日本初上陸作品を上演。2020年、創設者リン・フアイミン(林懷民)の後を継ぎ芸術監督に就任したチェン・ゾンロン(鄭宗龍)と、アーティスト、コンポーザー、プログラマーの真鍋大度とのコラボレーションで2023年に初演。波の概念を身体から発せられる動的エネルギーとして探求し、ダンス・音楽・映像の融合により「見えない身体を想像する」新たな身体感覚の世界へと誘う。


期間中にはこのほか、市内の各会場で公募による自主公演や企画を紹介する「YPAMフリンジ」も展開。

多様なアーティストやカンパニーが国内外から集い、複雑な現代のリアリティを映し出す刺激的な公演、初期衝動に貫かれた勢いのある作品を上演。参加アーティストは、史上最多だった昨年よりさらに増えて53演目がエントリー。有名カンパニーから新進アーティスト、そのどちらでもないもの、海外からの参加アーティストも交え、ダンスや演劇をはじめ盛りだくさんなラインナップが実現する。横浜の街の魅力と、そこここで繰り広げられるパフォーマンスで、充実のひとときを楽しみたい。

文:加藤智子

横浜国際舞台芸術ミーティング2025(YPAM2025)「YPAMショーケース」ラインアップ


<開催情報>
横浜国際舞台芸術ミーティング2025(YPAM2025)

2025年11月28日(金) 〜12月14日(日)
会場:神奈川・KAAT神奈川芸術劇場、男女共同参画センター横浜南、急な坂スタジオ、Art Center NEW、東京藝術大学 元町中華街校舎、横浜赤レンガ倉庫1号館、シャノアールほか

YPAMショーケース公演情報

ジェローム・ベル(フランス)『ジェローム・ベル』

テクスト/映像:ジェローム・ベル
出演:川口隆夫ほか

2025年12月5日(金)〜7日(日)
会場:KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>

シュウ・ジャウェイ(許家維) + チャン・ティントン(張碩尹) + チェン・シェンユゥ(鄭先喻)(台湾)『等晶播種』(展示)

3チャンネル・ビデオ・インスタレーション日本語・英語字幕
脚本:林政興、張碩尹、許家維
製糖工場内でのパフォーマンス:余若枚
布袋戯上演:昇平五洲園

2025年12月8日(月)〜13日(土)
会場:東京藝術大学 元町中華街校舎

シュウ・ジャウェイ + チャン・ティントン + チェン・シェンユゥ(台湾)× YCAM(日本)『浪のしたにも都のさぶらふぞ』

アーティスティック・ディレクション:許家維、張碩尹、鄭先喻
脚本:楊凱婷、張碩尹
映像出演
文楽人形遣い:吉田玉助、桐竹紋吉、吉田玉路(公益財団法人文楽協会)
太夫:竹本友和嘉
三味線・大正琴奏者:田中悠美子
パーカッショニスト:Taikimen(山﨑大輝)
ラボ研究員:伊藤隆之

2025年12月12日(金)〜13日(土)
会場:KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

アン・ウンミ(韓国)『北朝鮮ダンス』

振付・芸術監督:アン・ウンミ
音楽:チャン・ヨンギュ
舞台・衣装デザイン:アン・ウンミ
ダンサー:アン・ウンミ、キム・ヒェギョン、ムン・ヨンシク、チョン・ウィヨン、キム・ドクヨン、ハン・ガオン、チョ・ソンジェ、キム・ジヨン、キム・ジェウン、イ・ヒョンソ、イ・イスル
演奏:パク・スナ(カヤグム)

2025年12月8日(月)
会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>

contact Gonzo(大阪)× TS Crew(香港)『Bridging Bridge』(ヨコハマダンスコレクション2025)

コンセプト・クリエイション・出演: contact Gonzo、TS Crew

2025年12月9日(火)〜10日(水)
会場:横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

アレッサンドロ・シャッローニ(イタリア)「ある風景の中で」
『ページをめくるのを怖がらないで』

構想・パフォーマンス:アレッサンドロ・シャッローニ、マルコ・ベルターニ
音楽:パオロ・ペルシア
デザイン:エットレ・ロンバルディ
ドラマトゥルギー:アレッサンドロ・シャッローニ、リー・スーフェ

『ラストダンスは私に』

構想:アレッサンドロ・シャッローニ、ジャンマリア・ボルジッロ、ジョヴァンフランチェスコ・ジャニーニ
アーティスティック・コラボレーション:ジャンカルロ・スターニ
音楽:アウロラ・バウサ、ペレ・ジョウ
デザイン:エットレ・ロンバルディ

『第三の対話:ある風景の中で』

コレッティーヴォ・チネティコ & アレッサンドロ・シャッローニ
振付:アレッサンドロ・シャッローニ
出演・クリエーション:シモーネ・アルガニーニ、マティルデ・ブッツォーニ、カルミネ・パリーゼ、アンジェロ・ペドローニ、フランチェスカ・ペンニーニ、ステーファノ・サルディ

2025年12月12日(金)〜13日(土)
会場:KAAT神奈川芸術劇場<中スタジオ>

クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)
チェン・ゾンロン(鄭宗龍)×真鍋大度『WAVES』(ヨコハマダンスコレクション2025)

振付・コンセプト:チェン・ゾンロン(鄭宗龍)コンセプト・ビジュアル・音楽・プログラム:真鍋大度出演:クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)2025年12月13日(土)会場:KAAT神奈川芸術劇場<ホール>※京都・北九州公演あり

関連リンク
「クラウド・ゲイト・ダンスシアター」チケット情報(https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%82%BF%E3%83%BC&afid=P66)
YPAMエクスチェンジ:
https://ypam.jp/2025/program/index.html?type=exchange

YPAMディレクション:
https://ypam.jp/2025/program/index.html?type=direction

YPAMフリンジ:
https://ypam.jp/2025/program/index.html?type=fringe

YPAM公式サイト:
https://ypam.jp/2025

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