「設定にワクワクしました!」 GENERATIONS佐野玲於が『その瞬間、僕は泣きたくなった』を洞内広樹監督と語り合う
「佐野くんが単に同世代と恋してつきあって……じゃなくて、慈しむような深い愛を描きたかった。究極のところ愛って“大切な人に生きていてほしい”という思いだなと思い、そこにSF要素を加えていきました」と物語の成り立ちを明かす。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が大好きだと語る佐野は、当然のように、この物語に共鳴した。「過去に戻って自分が後悔している出来事を変えようとするっていう設定にワクワクしましたね。これにワクワクしないヤツ、いないでしょ? 僕がいつも思ってるのは、『ドラえもん』にワクワクしないヤツとは友達にはなれないなってこと(笑)。“少し不思議(=藤子F不二雄が提唱したSFの概念)”というか、大切なテーマをエンタメという枠の中でワクワクさせながら伝えていくというのがすごくいいなと思いました」
バクが事故で亡くなるのが2009年で、“後悔”を変えるべく戻るのが、さらにその10年前の1999年。この時代設定について監督は「設定として、ケータイを簡単に使えない時代にする必要があった」と説明するが、これが作品に、絶妙なノスタルジーをもたらしている。
洞内監督は「当時の雑誌とかサブカル的なものを小道具として使って時代を表現するという方法もあったけど、あえてそうではなく、大人が見ても自分の子供時代を思い出すような“懐かしい風景”をイメージした」