【おとな向け映画ガイド】本好きにはたまらない『ブックセラーズ』、ネット性犯罪の実態『SNS-少女たちの10日間-』、やばすぎるシリアルキラー『スプリー』の3本をおすすめ!
イラストレーション:高松啓二
【おとな向け映画ガイド】
本好きにはたまらない『ブックセラーズ』、ネット性犯罪の実態『SNS-少女たちの10日間-』、やばすぎるシリアルキラー『スプリー』の3本をおすすめ!
ぴあ編集部 坂口英明
21/4/18(日)
https://bit.ly/2RBOEH4
渡辺祥子さん(映画評論家)
「……本の素晴らしさを語る書店の主人やコレクター、書評家を見せる、本好きの人のためのドキュメンタリー……」
https://bit.ly/3tpQVTy
伊藤さとりさん(映画パーソナリティ)
「……ブックセラーとは探検家。映画的に言うならインディアナ・ジョーンズってとこ。そしてその本の魅力を引き出す工夫もブックセラーのセンス次第…」
https://bit.ly/3uSxl2S
植草信和さん(フリー編集者、元キネマ旬報編集長)
「……登場する書店主いわく「本に正しい家を見つけてやるのは医者が患者を治すのに似ている」。そんな彼ら彼女らの本への愛情……」
https://bit.ly/3slhb0b
高松啓二さん(イラストレーター)
「……。やっぱ古本屋はいいなあ!」
https://bit.ly/32ibLso
村山匡一郎さん(映画評論家、大学講師)
「……書籍の取引や書店をめぐる裏話や歴史的エピソードが次々と描かれ、本好きならワクワクするほど堪らない世界である。……」
https://bit.ly/32ffren
禁断のリアリティショー
『SNS-少女たちの10日間-』
おとり捜査風ドキュメンタリーというか、これはまた、すさまじい内容の映画です。10代の若者が、SNSにより、どれほど性犯罪の危険にさらされているかを告発しているのですが、その手法は大胆で、少女にむらがる大人たちの性欲も尋常なものではありません。
2017年、チェコ。
撮影スタッフは、12、13歳想定で少女3人の偽アカウントを巧妙に作り、接触してくる男性とのやりとりをカメラに収めていきます。少女役を演じるのは3人の女優(18歳以上)。らしく見えそうな女性をオーディションで選びます。さらにスタジオに、ディテールに気を使った3人の部屋をセットとして用意します。登録後たった5時間で、83名の成人男性がコンタクトしてきます。
それから10日間。なんと2458人の男たちが、10代と知りながらアプローチ、その多くが性犯罪に近い行為に及んだのです。撮影には、精神科医、生化学者、弁護士など、バックアップスタッフを用意、興味本位でないことはわかります。
映像にはぼかしが入っていますが、これを生で見せられたらと思うとぞっとします。
【ぴあ水先案内から】
池上彰さん(ジャーナリスト)
「……この映画は、幼い娘を持つ親に対し、子どもがネットでどんなやりとりをしているかに無関心だと、どんな危険が待ち構えているかを警告しています……」
https://bit.ly/32js5cm
村山匡一郎さん(映画評論家、大学講師)
「……SNSが常態化した今日の子供たちの危機を訴える効果はあるとはいえ、その作為性は、隠し撮り手法の延長にある盗撮に似て、倫理的な問題を改めて浮上させないだろうか。……」
https://bit.ly/3tyLW3j
ライドシェア・アプリ連続殺人鬼!?
『スプリー』
これはフィクションですが、SNS時代ならではの設定と内容、毒気のきいたアクション・スリラーです。「スプリー」というのはライドシェア(相乗り)アプリのこと。アプリで申し込むと近くを走る契約者がそれに応えて車に乗せてあげるというサービスです。
そのスプリーのドライバー、名前はカート。みためは普通ですが、SNSにどハマりしていて、フォロワーを増やしたいがために、乗客の殺害現場をライブストリーミングで実況中継しようと思いつき、決行する、そんな内容です。狂っています。
ドライバーもおかしいし、乗ってくるお客もへんなのばかり。映像は、カートがライブ中継用にセッティングした車載カメラのものから、客のスマホで撮った映像、SNS画面など入り乱れます。みんながみんな、どうしたらバズるかにいのちをかけていて、笑えます。
アメリカ・インデペンデント映画シーンの晴れ舞台、サンダンス映画祭でのプレミアでバカウケ。小規模公開から始まり、バスりに成功したというやんちゃな作品です。監督はウクライナ出身のユージーン・コトリャレンコ。これまでもビデオチャットを使った野心的な作品で知られています。彼の作品が日本で上映されるのはこれが初めてです。
カートを演じたジョー・キーリーはInstagramのフォロワー数が700万を超える人気者、次回作はディズニーの『フリー・ガイ』という注目の俳優です。
首都圏は、4/23(金)からヒューマントラストシネマ渋谷他で公開。中部は、4/23(金)からセンチュリーシネマで公開。関西は、5/7(金)からシネ・リーブル梅田他で公開。
【ぴあ水先案内から】
佐々木俊尚さん(ジャーナリスト)
「……「ああこういう人、日本のSNSにも確かにいるなあ」と思わせる妙な説得力がすごい。……」
https://bit.ly/32hhWg9
相馬 学(フリーライター)
「SNSの普及により承認欲求なる言葉が、しばし聞かれるようになったが、本作が描くのはその暴走だ。……」
https://bit.ly/3dlWP2B