『版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト』国立西洋美術館で 巨匠のエッチングが後世に与えた衝撃を読み解く
オランダ・アムステルダムにあるレンブラント・ハウス美術館と、レンブラントのエッチングを重点的な収集対象としている日本の国立西洋美術館。この2館のコレクションを中心として、レンブラントのエッチングとその広範な影響を見ていく企画展が、7月7日(火)から9月23日(水・祝)まで、上野の国立西洋美術館で開催される。
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《自画像、口を開けた顔》1630年エッチングレンブラント・ハウス美術館
17世紀バロック美術を代表するレンブラントが実際に約20年間暮らした家を利用したレンブラント・ハウス美術館は、世界で唯一のレンブラント専門の美術館。レンブラントによるエッチング(腐蝕銅版画)の世界有数のコレクションを中心に素描作品、さらに彼と関連の深い、あるいは強く影響を受けた芸術家たちの作品を収蔵している。
レンブラント・ハウス美術館外観Photo by Mike Bink
一方、国立西洋美術館も、レンブラントの銅版画の代表作《百グルデン版画》や《三本の木》をはじめ、20余点の作品を所蔵する。今回は、この2館の共同企画により、2つのコレクションとともに、国内の美術館や大学図書館および海外の個人コレクターからの借用作品や書籍も加え、約130点を展観する。
同展の前半で焦点を当てるのは、「油彩以上に色彩豊か」とも評されたレンブラントの明暗に富む版画の魅力。先例から刺激を受けつつ、様々な実験的試みを通してエッチング表現の可能性を追究し、その地平を拡げたレンブラントの数々の挑戦を、「肖像と頭部習作」「無宿者と市井の人々」「キリスト教主題」「スケッチ」「風景」と5つの主題別にたどっていく。
フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス《〈戦争の惨禍〉79:真理は死んだ》1810-20年頃エッチング、バーニッシャー/ウォーヴ紙国立西洋美術館
一方、後半は、レンブラントがその後の数世紀にわたり、多くの芸術家に影響を与え続けたことに注目。17世紀はオランダ国内やイタリアで、また18世紀にはドイツで関心が高まり、特に19世紀になると、エッチング技法そのものの再評価と結びつき、レンブラントへの関心も熱狂的に高まったのだとか。今回は、ゴヤ、ホイッスラー、ルドン、マティス、ピカソなど、レンブラントに憧れを抱いた巨匠たちの作品とともに、文学者や評論家の評価なども合わせて紹介。版画史にレンブラントが及ぼした「インパクト」にも注目した大規模な展覧会は、国内初の試みとなる。
<開催情報>
『版画家レンブラント挑戦、継承、インパクト』
会期:7月7日(火)~9月23日(水・祝)
会場:国立西洋美術館
休館日:月曜、7月21日(火)(※ただし、7月20日(月・祝)、8月10日(月)、9月21日(月・祝)は開館)
時間:9:30~17:30(金・土曜は~20:00)、入館は閉館の30分前まで
料金:一般2,200円、大学生1,300円、高校生1,000円
公式サイト:
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026rembrandt.html