人も動物も物も、全てがボリューミー! 『ボテロ展 ふくよかな魔法』Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中
2006年、ボテロは毎年1ヶ月ほど滞在するメキシコ南部の都市シワタネホでサーカスと出会い、その様子を描き始める。彼の描くサーカスの情景は人物や動物は華やかなダイナミックな動きをしているにもかかわらず、画面からは静けさや憂いも感じられる独特な世界になっている点が興味深い。
フェルナンド・ボテロ《象》 2007年
そして、最終章となる第6章「変容する絵画」は、ボテロの人気シリーズである名画へのオマージュ作品が並ぶ。彼はベラスケス、ピエロ・デラ・フランチェスカ、ヤン・ファン・エイク、アングルなど、さまざまな名画を自らの作風で描いてきた。同じ構図、同じ色合いで描いた作品であるにもかかわらず、どの作品もボテロそのもの。また、最新作であり世界初公開となる《モナ・リザの横顔》も公開される。
フェルナンド・ボテロ《ピエロ・デラ・フランチェスカにならって》1998年
フェルナンド・ボテロ《アルノルフィーニ夫妻(ファン・エイクにならって)》2006年
フェルナンド・ボテロ《モナ・リザの横顔》2020年
もりもりとした人物、動物、ものを描き、90歳のいまもなお活躍中のボテロ。彼のふくよかな魔法をたっぷりと楽しんでみよう。