「人生は生きるに値する」 劇団四季新作オリジナルミュージカル『バケモノの子』にかける熱い思い【稽古場取材会レポート】
それを僕が演出としてどう視覚化するかという点と、演劇的にお客さんの想像力に訴えかけて広げていくにはどうするかという点を主軸に作っています」と話すなど、作品の構造について言及。また青木は、美術プランについて問われ「知伽江さんからいただいた台本には、熊徹の家と猪王山邸、さらにそのふたつが同居しているシーンがあったり、渋谷と渋天街が同居するシーンがあったので、“同居している”ということを見せるのに〈二重盆〉はどうだろうと美術の石原敬さんのアイディアがあり、僕も面白そうだなと思って採用した」と具体的に解説もした。
役の魅力を問われた熊徹役候補のふたりは、田中彰孝が「熊徹は『ライオンキング』のムファサ(父王)のような役。僕は『ライオンキング』のシンバ役が長かったので、こういう役に憧れが強かった。年齢的にムファサや熊徹の方に近くなり、憧れから入ったものが、だんだん自分の身体に染みついてきている状態。稽古序盤は憧れを演じようと作りすぎてしまっていたが、それをそぎ落とすことを心がけて稽古をしています」と語り、伊藤潤一郎は「熊徹というのは、この作品を見た人みんなが好きになってしまうようなキャラクター。