人生はいい方向にしか進まない。唐田えりか&濱口竜介監督が語る『寝ても覚めても』
『親密さ』『ハッピーアワー』の濱口竜介監督の最新作『寝ても覚めても』が公開されている。本作は同じ顔を持つふたりの男性の間を揺れ動く女性・朝子を主人公にした作品で、劇中には観客が衝撃を受ける展開や、アッと驚く決断が描かれるが、監督はそこで描かれるドラマを「驚くと同時に深く納得する」ものだという。観客は朝子のドラマをどのように受け止めるのだろうか? 濱口監督と朝子を演じた唐田えりかに話を聞いた。
大阪で暮らす女性・朝子はある日、麦に出会い、瞬く間に恋に落ちる。彼女は麦とずっと一緒にいることを願うが、ある日、麦は忽然と姿を消してしまう。2年後、朝子は東京にある小さな喫茶店で働いていた。そこで彼女は店の向かいにあるオフィスにデリバリーのコーヒーポットを回収しに行き、麦とまったく同じ顔の男性・亮平に出会う。ふたりの顔があまりにも似ていることに朝子は激しく動揺するが、朝子と亮平は少しずつ距離を縮めていき、ふたりは恋人になる。
時が流れ、朝子は亮平と穏かな日々を過ごしていたが、ある日、彼女は麦の行方を知ってしまう。
東京藝術大学在学中に発表した『PASSION』で注目を集め、以降、様々な作品を手がけてきた濱口監督は、オリジナルではなく、柴崎友香の同名小説の映画化で商業映画デビューすることになった。