“そこら辺にいる変なおっさん”として葛飾北斎を描く 舞台『画狂人 北斎』いよいよ上演
舞台『画狂人 北斎』が3月4日(木)より、新国立劇場小劇場を皮切りに上演される。
葛飾北斎は化政文化を代表する江戸時代後期の浮世絵師のひとり。代表作は『富嶽三十六景』や『北斎漫画』で、東京都墨田区や長野県小布施町がゆかりの地だ。生涯に3万点を超える作品を発表し、ひとりの絵師が描いたとは思えないほど画風の違いが見られる。画号の改変の多さ、数多くの引越し等の奇行でも知られるが、ヨーロッパの芸術家に大きな影響を与えたと世界における評価は高く、1960年にウィーンで開催された世界平和評議会の席上において、世界の文化巨匠として顕彰された。1998年にはアメリカの雑誌『ライフ』で「この1000年でもっとも偉大な業績を残した100人」として、日本人として唯一選ばれている。
『画狂人 北斎』の舞台は江戸時代。葛飾北斎と娘・お栄の親子関係を軸に、それを取り巻く高井鴻山、柳亭種彦との人間模様。
そして現代での長谷川南斗と峰岸凜汰のそれぞれの北斎に対する思いと葛藤。江戸と現代を往き来する展開の中で、それぞれの時代を生きる6人の人間たちを通して、人生とは何なのか、人間とは何なのか。「画狂人」と呼ばれる北斎の生き様が現代人に問う。