横浜流星×吉岡里帆が語る“信じられる人の条件”「大切なのは相手の領域に土足で踏み込まないこと」
横浜そこはもう仕事や芝居にかかわらず、どの物事においても大事だなと思います。空手や格闘技もそうなんです。やっぱり頭は冷静でいなくちゃいけないので。僕はずっと役として生きることを正義だと思ってやってきたけど、それだけでは見えないものがある。いろんな目を持たないといけないなと今課題にしているところです。
吉岡でも、そういう流星くんだから鏑木を演じられたんだと思います。今回、夏と冬に分けて撮影を行ったんですね。夏は那須という名前でフリーライターを装った鏑木とのシーンを撮っていて。
そのときの流星くんは誠実さとピュアさの中に痛みを背負った影が見てとれて、対峙していると自分が強くいなきゃと自然と思いました。でも、冬にまた現場へ合流したときは、ありのままのの鏑木としての再会だったからか、毒が抜け切ったような表情をされていて。そのまっすぐな目を見ていると、彼が幸せになれない世の中だとしたら、それは世の中のほうがおかしいと思うぐらい、ただ鏑木が幸せであれと願う気持ちになりました。
――今回、情熱と冷静のバランスを意識したからこそ辿り着けた境地というのはありましたか。
横浜鏑木はいろんな人からたくさんのものを与えてもらう側だったので、それをすべてこぼさないように受け取ることを大事にしていました。