横浜流星×吉岡里帆が語る“信じられる人の条件”「大切なのは相手の領域に土足で踏み込まないこと」
ただ、そこにいる自分は、本当の自分だけど偽っている自分でもあるので、与えてもらったものを100%そのまま受け取ることはできないんですよね。その微妙なニュアンスは冷静に意識しながら演じていました。
吉岡さんが醸し出す空気感に、鏑木が沙耶香に抱いたものと似たものを感じていました
――そんな横浜さんを見て、吉岡さんが素晴らしいなと感じたところはありますか。
吉岡山ほどありますよ。語り出すと1時間はかかっちゃうくらい(笑)。
――じゃあ、なるべくギュッと濃縮してお願いします(笑)。
吉岡ギュッとですね(笑)。いちばん感じたのは、人としても役者さんとしても素晴らしい方だなということでした。
鏑木は重い葛藤を何年も抱えながら、でも人への優しさを忘れていないキャラクター。こういう人間的に素晴らしい人物を演じるのって、お芝居の技術だけでは無理だと私は思っていて。人として大事なところが、演じる本人にないと説得力が生まれないんです。
――説得力ですか。
吉岡たとえば、私が演じる沙耶香は素性がよくわからない那須くんを部屋に住まわせるんですが、その状況は、この人は信じられるなと確信できる相手じゃないと成立しないと台本を読んだときに思ったんです。