2023年12月27日 12:00
福士誠治×麻実れい 大作『インヘリタンス―継承―』に挑む!「人生の6時間半をください」
現在はもうエイズは薬の開発や治療が進んだことによって“死の病”ではなくなっていますが、『インヘリタンス~』ではそれでも、今の時代のエイズに対する周囲の視線、扱いの酷さなどを描いています。また『エンジェルス〜』は天使のキャラクターが出て来るなどファンタジックなところがありましたけど、この作品はゲイの仲間たち、彼らのリアルな日常を綴った世界です。ここが一番重要な気がしますね。
福士僕が20代の時に出演したミュージカル『RENT』もエイズ初期の頃の物語で、稽古場で、世の中の偏見、差別に対する運動のことなどを勉強させていただきました。日本人にはまだ遠い世界の出来事、そんな感覚でしたね。エイズの歴史ってちょうど40年程で、つまり僕と同い年くらいなんですよ。僕が10代の頃にもエイズを扱ったドラマがありましたが、今思うと、絶望の象徴みたいな表現がされていたなと。今回の『インヘリタンス~』で考えると、その頃とエイズに対する感覚はまるで違いますよね。
麻実そうね。
福士エイズに対する今の認識を、社会的に統一できたらいいなと思います。それこそコロナも初期と現在ではだいぶ僕たちの受け止め方も変わりましたよね。