『イリュージョニスト』コンサートバージョン明日開幕
まさに“不屈の公演”だ。演出に英国のトム・サザーランド(『グランドホテル』『タイタニック』)、脚本にアメリカのピーター・ドゥーシャン(『ドッグファイト』、音楽にスコットランドのマイケル・ブルース、そして主演に三浦春馬という国際色豊かなメンバーを迎え、世界初演の新作オリジナルミュージカルとして企画された『イリュージョニスト』。上演発表後に世界を襲ったコロナ禍により、上演そのものが危ぶまれた時期もあったが、昨年11月、一部キャストを変更し上演時期を1か月ほど遅らせる形で再スタートを切った。
12月に入ると、今度はカンパニー内に陽性者が複数確認される不運に見舞われたが、コンサートバージョンに演出を変更することで公演中止を回避。さらには今年1月、緊急事態宣言発出などの影響でついには公演期間がたった3日間に縮小されてしまったが、それでも中止の決断を下すことはなかった。この状況下では、中止も開催もそれぞれに英断であり、開催を決めたという事実だけを手放しで称賛するのはナンセンス。だがこれだけの逆境にもめげず、なんとか作品を届けようとしている『イリュージョニスト』カンパニーの情熱にはやはり、胸打たれるものがある。