2021年9月15日 23:37
ピーター・バラカンが『ママ・アフリカ ミリアム・マケバ』の魅力を解説 PFFの人気企画「ブラック&ブラック」が開催
今から10年前の2011年に発表されていながら、日本では劇場未公開となっていた作品だ。
上映が終わり、アフタートークで登壇したバラカン氏は、まず冒頭で「(僕は)この作品の存在をまったく知らなかった。今回の企画を進めるにあたって、ミカ・カウリスマキがこういう映画を撮っていることを知って、“こんな作品があったのか!”」と驚いたことを告白。「(PFFディレクターの)荒木(啓子)さんに感謝したい」と日本未公開作品を上映にこぎつけた映画祭に謝意を述べた。
主人公のミリアム・マケバは1932年に南アフリカのヨハネスブルクで誕生。ところが生まれて間もなく母親が密造酒の販売で逮捕され、生後約6カ月を母親とともに刑務所で過ごすことになる。
ここから彼女の波乱の人生はスタート。1959年に反アパルトヘイトの記録映画に主演したことに南アフリカ政府が激怒し、国外追放に。
以後、彼女は母国へと戻れなくなり政治亡命の日々が続く。
ただ、その間も、音楽活動を続け、1966年にはグラミー賞を受賞。一方で、ブラックパンサー黒人運動活動家のストークリー・カーマイケルと結婚。ニクソン政権下ではFBIなどに常に監視対象となっていた。