新国立劇場『ピローマン』出演者座談会「観終わった後に誰かと語り合いたくなる作品」
(撮影=引地信彦)
架空の独裁国家で「ある事件」が起き、ふたりの刑事・トゥポルスキとアリエルが作家のカトゥリアンを取り調べている。事件の内容がカトゥリアンが書いた物語と酷似していることから彼の犯行を疑っているのだ。さらに隣室にはカトゥリアンの兄・ミハエルも連行されており、刑事たちはさまざまな手を使って自白を引き出そうとする。次第に明らかになる兄弟の凄惨な過去。そして物語と事件との本当の関係とはーー。
イギリスの劇作家、マーティン・マクドナーの代表作のひとつ『ピローマン』が小川絵梨子芸術監督の演出により、新国立劇場・小劇場にて上演される。稽古も佳境に差し掛かるなか、本作の出演者6人=成河、木村了、斉藤直樹、松田慎也、大滝寛、那須佐代子が“演劇トーク”を繰り広げた。
――昨日、初めて粗い形で全場面を通されたそうですが、そのご感想からうかがえますか?
成河僕たちはそれを“ガッチャンコ”と呼んでいますが、途中で止まってもいいからまずはやってみようという共通認識のもとで場面を繋げました。
僕が演じるカトゥリアンはほぼ出ずっぱりなので、いっぱい喋ったな、と(笑)。
木村僕は稽古に参加して8日目ということもありとにかく必死でした。