主演作『もみの家』が公開、女優・南沙良が語る演じることの魅力
ただの17歳ではない。元二コラモデルという経歴に加え、江崎グリコ「ポッキー」や「キリン 午後の紅茶」ソフトバンク「SoftBank学割」のCMに出演するなど、一見キラキラした印象を受けるが、女優として物語の中に入ると、見事なまでのその輝きとオーラを打ち消し、教室の隅っこで居心地が悪そうにうつむいているような、悩める10代に変身してしまう。いや“変身”という言葉は適切ではない。本人曰く「もともと、どちらかというとそういうタイプ(苦笑)」とのこと。
「キャピキャピしたクラスの中心の女子の役もやってみたいんですけどね……」――。南沙良はそう笑う。
女優デビュー作『幼な子われらに生まれ』では母と再婚相手の間に子が生まれることを知り家族に反発を強めていく思春期の少女を、初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』では吃音というコンプレックスを抱えた女子高生を体当たりで演じ高い評価を得た。3月20日公開の主演映画『もみの家』でも、演じたのは世間のマジョリティという縁の外側の存在――心に不安を抱える若者たちが共同生活を送る“もみの家”で少しずつ成長していく不登校の少女・彩花を演じた。
最初に脚本を通じて彩花という主人公に触れたとき「あまり好きになれなかった」