『大西茂 写真と絵画』東京ステーションギャラリーで 数学・写真・絵画を越境した異才の全貌に迫る過去最大規模の回顧展
(C)Estate of Shigeru Onishi, courtesy of MEM
2026年1月31日(土)より東京ステーションギャラリーで『大西茂写真と絵画』が開催される。数学、写真、絵画を越境する思索と創作で国際的に活躍した戦後日本美術の鬼才・大西茂(1928-1994)の、日本の美術館では初となる回顧展だ。
岡山県に生まれ、北海道大学で数学を学んだ大西は、修士課程終了後も同大の理学部数学研究室に籍を置き、位相数学(トポロジー)を研究する。彼は自らの研究を「超無限の研究」と呼び、それらを独自の芸術表現においても追求した。
《対應》1957年頃 (C)Estate of Shigeru Onishi, courtesy of MEM
まずは、露光、ソラリゼーション(白黒反転)、沸騰した現像液の不均一な塗布など、時代に独学で習得した写真の技術を駆使して、「超無限」な作品を創造。さまざまなイメージが激しく錯綜する彼の超越的なビジュアルは、当時、国際的な主流となっていた「主観主義写真」に呼応するものとして高く評価され、美術評論家の瀧口修造なども魅了した。
《題不詳》1950-60年代 (C)Estate of Shigeru Onishi, courtesy of MEM
また大西は1950年代、墨の線が画面を縦横無尽にうねる、驚くべき抽象画も生み出している。大西の絵画作品は、世界に「アンフォルメル」旋風を巻き起こしたミシェル・タピエに見出され、タピエと強い連携関係にあった日本の具体美術協会の展覧会に参加するようになったばかりか、ヨーロッパにも紹介された。
《セルフポートレート》1950-60年代 (C)Estate of Shigeru Onishi, courtesy of MEM
その後も大西はひたすらに自らの表現を推究するが、生前の人的交流が希薄だったこともあり、没後は知る人ぞ知る存在となっていく。しかし、2010年代、日仏で写真展が開催されたことをきっかけに、アンフォルメルの国際的展開が注目され、その中で大西茂の重要性が大きく語られることとなった。同展では、1000点以上にのぼる写真と絵画の中から傑作を厳選して紹介すると同時に、大西のもうひとつの表現である数学研究の遺稿など、資料も数多く展示する。大西茂の全貌に迫る、世界初の展覧会だ。
<開催情報>
『大西茂写真と絵画』
会期:2026年1月31日(土)〜2026年3月29日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
時間:10:00~18:00(金曜日は~20:00、入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜、2月24日(火)※ただし2月23日(月)、3月23日(月)は開館
料金:一般1,300円、大学・高校生1,100円
公式サイト:
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/
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