くらし情報『新国立劇場バレエ団の2021/2022シーズン開幕公演ピーター・ライト版『白鳥の湖』観劇レポート』

2021年10月26日 12:00

新国立劇場バレエ団の2021/2022シーズン開幕公演ピーター・ライト版『白鳥の湖』観劇レポート

新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』<新制作>より 撮影:鹿摩隆司

撮影:鹿摩隆司



新国立劇場バレエ団の2021/2022シーズン最初の演目、ピーター・ライト版『白鳥の湖』が開幕した。ライトが芸術監督を務めていたサドラーズウェルズ・ロイヤル・バレエ団 (現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)で1981年に発表し、今に至るまで上演されている名プロダクションだ。サドラーズウェルズのプリンシパルだった吉田都が、自身の監督就任のお披露目として準備するもパンデミックで延期。今回、満を持してのバレエ団初演だ。


新国立劇場バレエ団の2021/2022シーズン開幕公演ピーター・ライト版『白鳥の湖』観劇レポート


このプロダクションの大きな特長は、重厚な質感・色調の美術の中で繰り広げられる、イギリスの振付家らしい演劇的・論理的なドラマ。通常の『白鳥の湖』ではジークフリード王子の父王の不在の理由は明示されないが、本作は王の葬儀の場面で始まる。だからこそ、王妃や臣下は、まだ若い王子に、次期国王としての自覚、そして結婚を求めるのだ。また、第3幕では、物語と関係なく挿入されることが多い各国の踊りが、王子の花嫁候補の踊りとセットになることで一貫性が生まれ、第4幕での悲劇的結末にも説得力があった。

初日は、本島美和扮する愛情深くも厳格な王妃の前で王子が息苦しさを感じ、自由を希求するさまを、福岡雄大が瑞々しく体現。

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