スタジオジブリの過去作はどのように“デジタル化”されたのか? スタッフが語る
宮崎駿監督の名作『天空の城ラピュタ』が2月14日(金)に開幕する「映画のまち調布 シネマフェスティバル2020」で上映される。本作は1986年の作品で、制作時はフィルムで撮影され、35ミリのプリントで上映されたが、今回は多くの新作映画と同じようにDCP(デジタル・シネマ・パッケージ)での上映になる。
数多くの人気作・名作を擁するスタジオ・ジブリはこれまでの作品をどのように保管・管理し、現代の映画館で上映可能なデジタル上映素材を制作しているのだろうか? ブルーレイともテレビ放送とも違うDCP版『天空の城ラピュタ』の注目ポイントは?
ジブリファンならずとも気になる話を、スタジオ・ジブリ映像部の部長で、エグゼクティブ イメージング ディレクターを務める奥井敦さんと、同じくスタジオジブリの制作部で副部長を務める古城環さんに聞いた。なお、当日は大スクリーンで『天空の城ラピュタ』のDCP全編の試写が行われた後にインタビューが行われた。(以降、敬称略)
―スタジオジブリ作品の映像素材のデジタル化はいつからスタートしたのでしょうか?
奥井旧作のブルーレイを発売する際に、フィルムからデジタルのマスターをつくったんですけど、その時にブルーレイのためだけではなく、長い目で見て“アーカイブ”の観点からも考えて作業したんです。