咲妃みゆ、渡邊圭祐ら出演『Yerma イェルマ』公演詳細&ビジュアル解禁 コメントも到着
(撮影:皆川聡)
世田谷パブリックシアターの企画制作による『Yerma イェルマ』の全キャストと公演詳細、メインビジュアル、コメントが解禁された。
1930年代スペインの閉塞的な寒村を舞台に、抑圧された女性の苦悩と孤独を鮮烈に描き出した詩人・劇作家のフェデリコ・ガルシーア・ロルカによる不朽の傑作『イェルマ』。本作では、この古典的名作を起点に、演出家・稲葉賀恵と劇作家・オノマリコという気鋭のふたりが、現代社会で自らの居場所や価値を見出そうともがき苦しむ女と男たちの物語として新たに立ち上げる。
自らの存在価値に苦悩する女性のイェルマ役を咲妃みゆ、家庭生活に非協力的なイェルマの夫で、自らもある秘密を抱えるフワン役を渡邊圭祐、イェルマの幼馴染であるビクトル役を小林亮太、そしてイェルマの内的な存在であり、物語の展開に鮮烈なアクセントを刻む老婆役を渡辺いっけいが演じるのは既報の通り。今回新たに、「MEN’S NON-NO」の専属モデルとして活動し、本作で初舞台を踏む樋之津琳太郎、舞台はもちろん、近年は国内外において注目度の高いインディーズ映画への出演が続く大場みなみ、劇団「贅沢貧乏」に所属し、劇団公演に加え外部作品にも多く参加する青山祥子、稲葉をはじめ数多くの演出家の舞台に立ち、舞台『ハムレット』の出演を控える前東美菜子と、多方面で活躍する4名の出演が発表された。
『Yerma イェルマ』は、2026年9月21日(月・祝) から10月12日(月・祝) まで東京・シアタートラム、10月17日(土)・18日(日) に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、10月31日(土)・11月1日(日) に宮城・多賀城市民会館 大ホール、11月7日(土)・8日(日) に愛知・東海市芸術劇場 大ホールで上演される。
【ストーリー】
都心から少し離れたところにある一軒家。イェルマが夫フワンを見送ると、いつの間にかリビングにひとりの老婆が座っている。
心身の不調が原因で仕事をあきらめ結婚したイェルマは、夫との子どもが欲しいと思っている。イェルマは子どもができない寂しさを、老婆に語る。壊れそうなフワンとの関係。同居している義理の姉。リモートワークの部屋として、家の空き部屋を借りている幼馴染のビクトル。仕事をしながら妊娠にも成功した友人たち。この世の中からの承認を求めるイェルマは、自分には存在価値がないのではないかと疑っている。その混乱は、夫のフワンにも伝染していく。
<公演情報>
『Yerma イェルマ』
作:オノマリコ
構成・演出:稲葉賀恵
出演:
咲妃みゆ渡邊圭祐小林亮太
樋之津琳太郎大場みなみ青山祥子前東美菜子
渡辺いっけい
【東京公演】
2026年9月21日(月・祝)~10月12日(月・祝)
会場:シアタートラム
■終演後ポストトーク
・9月26日(土) 18:30:稲葉賀恵(構成・演出)×白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督)
・9月28日(月) 18:30:稲葉賀恵×咲妃みゆ×渡辺いっけい
・10月6日(火) 18:30:渡邊圭祐×小林亮太×樋之津琳太郎
【兵庫公演】
2026年10月17日(土)・18日(日)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【宮城公演】
2026年10月31日(土)・11月1日(日)
会場:多賀城市民会館 大ホール
【愛知公演】
2026年11月7日(土)・8日(日)
会場:東海市芸術劇場 大ホール
公式サイト:
https://setagaya-pt.jp/stage/32248/
『Yerma イェルマ』スタッフ&キャストコメント
■作:オノマリコ
ロルカの戯曲『イェルマ』をベースに、現代の都会に生きる人々の孤独を描きます。多様な生き方があるようでいて、依然としてある「正解」のルートに縛られてしまう息苦しさ。わたしもその中で日々揺れているひとりです。演出の稲葉さんは、今回の『Yerma イェルマ』を通して、硬直した現状から一歩踏み出す勇気を見つけたいと語っています。わたしもそのために、登場人物たちを後押ししていくつもりです(時には逆境を用意することになるかもしれませんが)。稲葉さんと11年ぶりにシアタートラムでタッグを組めることも、とてもうれしく思っています。
■構成・演出:稲葉賀恵
“近代戯曲のアダプテーション”は、挑戦したい創作のひとつでした。今回芸術監督の白井晃さんから、かくも貴重な機会をいただけたことに胸が躍るとともに、高い頂に褌を締め直しています。
とはいえ、私は当初イェルマに共感ができませんでした。そしてなぜ共感できないのかを紐解いていくと、どうやらイェルマの中に惨めな自分自身を見つけたからだと気付きました。存在価値がないと感じる女性としての罪悪感。そして私がそんなことを感じてしまう、この社会について考えました。
ロルカの生きた時代から100年以上が経ち、世界は見えない力で分断され、欲望は社会によって作られ、幸せは他人に委ねられました。
私たちが考える現代のイェルマは、そんな今をクレイジーにサバイブし、彼女なりのひとつの突破口を見つけます。この姿を見て私自身が、そしてお客様が「今の自分は存在していい」と静かに認められる、そんな鮮やかで強い作品にしたいと思います。ご期待ください。
■イェルマ役:咲妃みゆ
目に見えないウイルスが猛威を振るったあの頃、私は自身の存在意義について度々考えました。
イェルマが抱く閉塞感や孤独感に思いを馳せると、得も言われぬ不安に苛まれた当時の感覚が鮮明に思い出されるのです。
この想起は、今の私が『Yerma イェルマ』と向き合う上で非常に重要な鍵となる気がしています。
“生命”への強烈な願望と強いエネルギーを持つ女性が何を感じ何処へ向かうのか……私自身の剥き出しの感情と直面することになりそうで少々怖いですが、才能豊かな稲葉賀恵さんと魅力的な共演者の皆さんと共に心を交わしながら、勇気を出して挑みたいと思います。
■フワン役:渡邊圭祐
念願だったシアタートラムです。独特な空間に戯曲も相まって、押し潰されるような感覚にされる劇場だなあと思っているところに立たせていただけることに畏怖の念を抱いております。オノマさんが書いて、稲葉さんが演出をする『Yerma イェルマ』にこのキャストで挑めるということでワクワクがとまりません。皆様に少しでも良いものをお届けできるように、稽古期間含め楽しみ切りたいと思います。
■ビクトル役:小林亮太
シアタートラムに立つこと、稲葉さんの演出のもとで芝居をすること、この願っていたことがふたつ同時に叶う今回の出会いをご褒美のように感じています。以前に稲葉さんが演出された芝居を観劇したとき、登場人物の心や物語を追っているはずなのに、気付けば、あなたはどう思う?と問われている感覚になりました。今作はどうなるのか、僕自身も楽しみです。主人公にとって煌めいた存在であるビクトルを、世の中を見つめて、丁寧かつ大胆に構築していきたいです。劇場でお待ちしています。
■老婆役:渡辺いっけい
自分が今回『Yerma イェルマ』という作品への参加を決めた最大の理由は「この役をやってみませんか?」と勧められたのが過去に演じた経験のない特異なモノだったからです。ひょっとしたら人間ではないかもしれない「訳知り顔の村の老婆」役。ここまでエッジの効いた役設定も中々ありませんし、シンプルに自分が「お婆ちゃん」を演じると想像しただけで胸が躍る思いでした。
共演は実力派の俳優さんたち。演出は新進気鋭の稲葉さん。場所は深い没入感と臨場感を楽しめるシアタートラム。これは気合いが入ります。この秋の問題作『Yerma イェルマ』に、どうぞご期待ください。
撮影:皆川聡