2023年9月20日 18:00
新国立劇場2023/24シーズン開幕! 沼尻竜典が読み解くプッチーニ/ラヴェルの2本立て
歌っている言葉と動作が一致しているし、アリアを1曲まるまる寝っ転がって歌えとかいう無理も絶対にさせない。
そしてやっぱりイタリア育ちなので、日本よりも濃い海や空の色を見ていたのでしょう。普通の日本人にはない色彩感をお持ちです。宗教的シーンも自然に作れますね。たとえば、修道女といったって、われわれ日本人はなかなかピンとこないけど、彼は当然イメージを持っている。もちろんイタリア語は母国語のようなものなので、たぶん考えごとはイタリア語でしているんじゃないでしょうか。音楽的にもいろいろ助けてもらっています」
5学年上の大野和士芸術監督とは長い付き合いがある。
「ずっと前ですけど、質問したいことがあってスコアを持って訪ねて行ったらインタビューの最中で、『質問に来た後輩』として写真に撮られ、一緒に雑誌に掲載されてしまいました(笑)。
僕は学生時代の大野さんが指揮するのも見ているんですよ。自分がまだ高校生の頃で、当時私がアルバイトでたまにピアノを弾いていた、長門美保歌劇団の公演でした。メノッティの《泥棒とオールドミス》だったと思います。
そんな頃からずっと背中を追ってきた。追い切れてないですけどね。