『栗林隆 Roots』神奈川県立近代美術館 葉山で 展示室以外のさまざまな空間で新作インスタレーションを展開
1968年に長崎で生まれ、ドイツ留学を経て、現在はインドネシアと日本を往復しながら国際的な活動を展開するアーティスト・栗林隆の個展が、12月14日(土)から2025年3月2日(日) まで、神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。通常の展示室ではなく、エントランスや講堂、中庭などの空間を舞台とした特別な展覧会だ。
《unter wasser projekt(水中プロジェクト)》1999 長崎、日本
自然と人間の関わりに対する深い関心から、一貫して「境界」をテーマとしてきた栗林は、ドローイングやインスタレーション、映像などの多様なメディアを用いて、身体的な体験を観客に促すような作品を国内外で発表してきた。例えば、展示室の中に和紙でつくられた林が広がる《Wald aus Wald (林による林)》(『ネイチャーセンス展』2010年、森美術館)、あるいは原子炉の形を模した構造物を薬草による蒸気で満たし、そのなかで鑑賞者たちがともに過ごす〈元気炉〉シリーズ(2020年-、下山芸術の森 発電所美術館ほか)など、いずれも体験する者の認識を揺るがすような刺激に満ちた作品である。
《元気炉-初号基 富山(Genki-ro / No.0 Toyama)