くらし情報『翻訳家の松岡和子が語る『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』の魅力』

2023年10月17日 20:30

翻訳家の松岡和子が語る『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』の魅力

松岡和子(翻訳家)


10月18日(水) より新国立劇場中劇場にて開幕する、日本初となる『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』の交互上演にあたり、シェイクスピアの戯曲の完訳を達成するなど、シェイクスピア作品に精通する翻訳家・松岡和子さんのオフィシャルインタビューが到着した。

喜劇ではあっても悲劇の影やつらさをどうしても帯びている──松岡

──今回上演される『尺には尺を』、そして『終わりよければすべてよし』という2本は、シェイクスピア作品全体の中ではどういった位置付けの作品なのでしょうか?

松岡どちらが先に書かれたのかということには様々な説がありますが、いずれにしろ同じ時期に書かれた2作になります。シェイクスピアの作家歴を見ると、明るい喜劇の時代があり、歴史劇の時代があり、『ハムレット』に代表される悲劇の時代があります。『ハムレット』と同時期に書かれた『十二夜』という作品は、シェイクスピア最後のロマンティックコメディと言われており、主な人物がみんなハッピーになれる明るく幸せな作品です。この作品を機にコメディ時期が終わり、その後は屈折した苦味のある、ハッピーエンドと言っていいのか分からないような喜劇の時期になります。

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