『美食家ダリのレストラン』ダリ好きオーナーの“推し活”が最高に面白い映画!【おとなの映画ガイド】
レストランの店名も、もちろんダリにちなんで「シュルレアル」。
あるとき、彼の店に、バルセロナの一流レストランで次期料理長と嘱望されていたフェルナンド(イバン・マサゲ)が飛び込んでくる。スペイン軍政下、ひと悶着を起こし、弟のアルベルトとふたりで友達のツテを頼ってやって来た、料理に情熱を燃やす生真面目な男だ。しかし、ジュールズは彼の料理の腕に気づかず、ひたすらダリを追いかける日々……。
実は、この料理人フェルナンドには、“モデル”がいる。約50しかない席に世界中から年間200万件もの予約希望が殺到し、「世界一予約が取れないレストラン」と呼ばれていた、スペイン三つ星レストラン「エル・ブジ」のシェフ、フェラン・アドリアだ。
脚本も担当したダビッド・プジョル監督は、「エル・ブジ」のTVドキュメンタリーシリーズと、ダリのドキュメンタリー映画3本を手がけた実績がある。それゆえに「この天才ふたりに、もし接点があったら?」というアイデアが生まれたという。
紆余曲折があって、フェルナンドは「シュルレアル」の料理長になるのだが、その厨房のこだわり、仕事のスタイルは、フェラン・アドリアの考え方を反映しているようだ。