2024年3月29日 18:00
世界的ベストセラーをNetflixでドラマ化! 『三体』が原作ファンもそれ以外も楽しめる理由とは
『三体』は、遥か彼方の惑星の、優れた科学力を誇る三体星人が地球に攻め込もうとする侵略SFだ。ただし、彼らの艦隊が地球に到達するのは400年後。その400年の執行猶予期間にあらゆる手段を駆使して殲滅を防ごうとする人類の姿が写し出される。小説は3章からなり、ざっくりいうと過去・現在・未来、地球・宇宙・三体星が交互に描かれる。当然、登場人物も多く、そのメインは舞台に合わせて中国人なのだが、今回の“神業脚本”では舞台をイギリスのオックスフォードに変更。メインのキャラクターは中国系やヒスパニック、そして黒人と今どき仕様の人種配分にし、メインの言語は英語になっている。
脚色の大胆さがもっとも表れているのはそのキャラクターだろう。オックスフォード大学卒の仲良し5人組に原作の3章のそれぞれの主人公を当てているからだ。ということはつまり、原作では基本、章ごとにいた主人公が今回の第1シーズンですでにお目見えしているということになる。原作ファン的には名前が中国名から英語名に変更されていることから、物語が進んだ時点でやっと「この人が、原作のあの人なんだ!」と分かる瞬間があり、原作を読んでいるからこそのサプライズにもなっている。