【峯田和伸ロングインタビュー】『越年 Lovers』撮影裏話や大好きな映画・音楽の話まで
音楽は楽しいだけじゃない。と言うか、仕事なんですよね。
――お芝居も仕事ですよね。
お芝居の方は、仕事とあまり思っていない節がありますね(笑)。音楽の場合は作品を作るために、すり減っていく自分がいて。昔からやってきて、ずっとやって行こうと決めたことなので、これからもやっていくと思うんですけど、お芝居をやると、そのすり減っていく作業からちょっと逃れられて、やっと人間に戻れるようなところがあるんです。
――もう少し楽にできるわけですね。
そうですね。
楽しもうって感じですね。音楽は楽しもうというのはあまりない。それ以上に重い、責任感みたいなのが伴いますけど、お芝居って監督に投げられるんですよ。だから、楽なんです。
曲を作って「歌詞できねえ!」って言って、追い込まれたときは「ガー」ってひとりで部屋で叫び声を上げているような日常とは違って、お芝居は脚本家がセリフを作ってくれるからすごく楽。
それで、観た人も喜んでくれるけれど、音楽ではそんなことにはならないですから。
――ちなみに、映画が好きでよくご覧になるって言われましたけど、どういう作品が好きなんですか?
どんな映画でも観るけれど、昨日観直したのは、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・イン・ハリウッド』(19)。