【ライブレポート】全19曲で駆け抜けた、the dadadadys5人体制での初ワンマン『三三愛燦燦』
Photo:小杉歩
「ずっとレコーディングしてて、曲作りが楽しい。優先は新曲を作ること」と小池貞利(Vo/Gt)はライブ後半に語っていた。この日も新曲を数曲プレイしてくれ、バンドが勢いづいていることを肌で感じた。もっと言えば、脂が乗りまくっていて、手の付けられない状態である。「今日が新5人体制での初ワンマン!?」と首をかしげたくなるほどだった。
小池貞利(Vo/Gt)
the dadadadysがワンマンライブ『三三愛燦燦』を新代田FEVERで開催。チケットは見事ソールド・アウトを果たし、開演前から観客の期待値の高さがひしひしと伝わってきた。まずバンドのトピックとしては、今年1月にex.ヤングオオハラの儀間陽柄(Gt)が正式加入。
それもあり、いち早く新体制のライブを観たいと欲するファンが多かったに違いない。
儀間陽柄(Gt)
小池、山岡錬(Gt)、儀間、佐藤健一郎(Ba)、yucco(Ds)のメンバー5人が揃うと、「三三愛燦燦」でショウは始まった。穏やかな立ち上がりから「超々超絶絶頂絶好最高潮」に移ると、演奏は一気に激しさを増していく。鋭角的なリフと図太いグルーヴにフロアの温度は急上昇。小池は天井のパイプに手をかけ、抑え切れない感情を歌にぶつけていく。「奴隷の唄」に入ると、yuccoは強烈なビートを叩きつけ、拳を突き上げてジャンプする観客たちが増えていった。
yucco(Ds)
次の「しぇけなべいべー」では「俺に溢れるほどのエネルギーをちょうだい!」と叫ぶ小池。バンドはロック・モード全開で突っ走り、混沌としたままスパークする演奏にも大興奮。
ドリーミーな歌メロが際立った「青二才」を挟むと、新曲「にんにんにんじゃ」へ。キャッチーなサビも相まって、会場は過熱の一途を辿る。そこに「あっ!」を投下。熱く語りかける小池の歌声に惹きつけられる。また、パンキッシュに加速していく緊迫した演奏もインパクト絶大である。観客のリアクションもすこぶる大きかった。
佐藤健一郎(Ba)
その流れを「PUXXY WOMAN」で繋ぐと、ここでさらに新曲「nantekotta」を披露。エッジ際立つギターのイントロから緩急をつけたバンド・アンサンブルに雪崩れ込む。
儀間の加入により、the dadadadysのバンド感はさらに研ぎ澄まされているようだ。「gesewa」を経て、「人を許すことにしました!」と前置きした後に「(許)」をプレイ。トリプルギターを振りかざし、爆発力みなぎるサウンドを突きつける。加えて、儀間による激情コーラスも楽曲の沸点を高めていた。
そして、「高層ビルと人工衛星」、「トリーバーチの靴」とteto時代の楽曲が続くと、会場はさらにヒートアップ!後者では山岡、儀間のギターソロも映え、野獣のごとくむき出しの歌を届ける小池。もう、バンドと観客が真正面からぶつかり合うエネルギーは凄まじい限りだ。コロナ前の活気が完全に戻って来た、と言いたくなるほどであった。
山岡錬(Gt)
ここで3月22日に配信限定EP『だ』、『da』の2作品同時リリースすることに触れ、「今日やった曲全部入ってる」(※「(許)」、「にんにんにんじゃ」、「あっ!」、「らぶりありてぃ」は『だ』収録曲、「nantekotta」、「gesewa」、「k.a.i.k.a.n」は『da』収録曲)と小池は説明。
さらに「沖縄から来てくれた」と付け加えて、新メンバーの儀間を紹介した後、「今の5人でセルフアレンジとかもやりたい」と意欲を露わにする場面もあった。
後半に差し掛かり、ボーカルにエフェクトをかけた「らぶりありてぃ」を披露。ドリーミーかつスケールの大きな曲調で観客を揺らすと、「恋している奴はそいつのことを、恋していない奴はthe dadadadysのことを……」と告げて、「恋」へ。キャッチーなコーラスをフックに甘酸っぱいポップ性を発揮。それから「あのトワイライト」に移ると、会場は大フィーバーを記録。
ショウは残り2曲となり、佐藤とyuccoのリズム隊が激しく主張する「ROSSOMAN」に突入。儀間もヘドバンしながらプレイに励んだりと、バンドにすっかりと溶け込んでいるよう。本編ラストは「k.a.i.k.a.n」が飛び出し、ヘヴィなカオス感を叩きつけて終了。
アンコールに応えると、「新体制のワンマン、こんなに熱くなるとは……。あの時より、自分の歌とメンバーと曲と客とより密接な関係になっている」と小池。最後は弾き語り形式からバンドインする「東日暮里5丁目19-1」をプレイ。ロマンチックな音色を紡ぎつつ、後半は長尺のインスト・パートを織り込み、スケールの大きな曲調で観客を飲み込んでいった。全19曲を駆け抜け、新5人体制の初ワンマンは大成功のうちに幕を閉じた。4月からは13公演に及ぶワンマンツアー『(許)』も予定されている。そこでthe dadadadysはバンドとして、また一回りも二回りも成長することだろう。これからの覚醒ぶりに目が離せない。
Text:荒金良介Photo:小杉歩
<公演情報>
the dadadadys ワンマンライブ『三三愛燦燦』
3月3日(金) 新代田FEVER