【Wienners 新体制ライブレポート】ついに始動!玉屋2060%が断言する新ボーカルYUURIが放つ圧倒的「フロントパーソン」の輝き!
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Text:小川智宏Photo:かい
新体制Wienners、始動!昨年6月にアサミサエが卒業、その後はゲストボーカルを迎えて活動を展開してきたWiennersに、新ボーカリスト・YUURIが加入したことが発表されたのが元旦0時。そこから2カ月ちょっと、ついに生まれ変わったバンドが我々の目の前に現れた。2月13日、東京・渋谷WWWXで行われたワンマンライブ『Wienners CULT POP SHOW』。「ついにこの日が来ました!会いたかったっす、マジありがとう!」。そう叫ぶ玉屋2060%(vo/g)の晴れやかな表情が物語るとおり、一発目にしてすでにバンドが最高のヴァイブスをまとっていることがはっきりと伝わる、最高のライブとなった。
メンバーと同じようにファンもこの日を首を長くして待ち望んでいたわけで、開演前からフロアはものすごい熱気。オープニングSEが鳴り出した瞬間にそのボルテージは早くも最高潮を迎えた。登場した玉屋、∴560∵(ゴロー / b)、そしてサポートドラムの森田龍之助。
そして彼らに続き姿を現したYUURIが、ステージのセンターに立ってマイクを握った。そう、以前は常に玉屋がセンター、キーボード兼ボーカルの女性メンバーが上手にポジションを取っていたのだが、今回加入したYUURIはボーカル専門。バンドの操縦桿を握るのが玉屋であることはもちろん変わらないが、Wiennersとして初めて、新たに文字通りの「フロントパーソン」が誕生したのである。
大歓声を浴びるなか、玉屋とYUURIが声を重ねる。「耳を塞ぐほど、空気が揺れるほど、気が遠くなるほど、涙が出るほど、この世でいちばん大きな産声が聞こえますか!」。そして鳴らされた1曲目は「GOD SAVE THE MUSIC」だった。〈ハウリングの奥の神様どうか止めないでSOUND MUST GO ON〉と拳を振り上げYUURIが叫ぶ。キーボードが同期になっていることを除けば、いつものWiennersサウンドだ。
だが、当たり前だが明らかに違う。YUURIの声と立ち姿がオーディエンスの目を惹きつけ、3人の音が彼女のデビュー戦を後押しするように爆発する。ロックバンドとしてとても美しいフォルムが、ステージにとても映えているのだ。続く「何様のラプソディ」でさらに高まる熱。クラウドサーファーが続出するなか、上手でギターを弾き倒して歌っている玉屋もとても気持ちよさそうだ。
2曲を終え、「会わせたかった人がいます」と玉屋がYUURIを紹介。息を切らした彼女は「エグいです。人が転がってくる……」という言葉でオーディエンスを笑わせる。
「この日が決まったときからずっと今日のことを想像していたんですけど、その何十倍の景色で。ありがとうございます」と早くも興奮状態だ。バンド経験はこれがまったくの初めてだというYUURI。その言葉を受けた玉屋は「あなたたち、本当に歴史の目撃者ですよ。ここからスターにのし上がっていく様を見ていってください!」と自信たっぷりに宣言し、また怒涛の爆音に身を投じていくのだった。
「ULTRA JOY」に「TRADITIONAL」とWiennersの鉄板ライブチューンを畳み掛け、久しぶりにライブで披露する「SHINOBI TOP SECRET」へ。YUURIによる演歌パートの艶やかな響きに、フロアが沸騰する。バンドとして初めてのステージとは思えないくらい堂々としたその存在感には、確かに玉屋の言うとおりポテンシャルを感じる。
「ジュリアナ ディスコ ゾンビーズ」では扇子を持ってダンス。楽器を持たないぶん、ライブ中ずっとアクションも含めてオーディエンスを盛り上げていく様子は、これまでのWiennersにはなかった新鮮なものだ。
ライブはMCを挟みながら、とんでもない勢いで進む。「恋のバングラビート」では玉屋がフロアにダイブし、「TOKYO HOLI」ではYUURIの「歌え!」の声にオーディエンスの大合唱が巻き起こり……すべてが初物、一瞬たりとも見逃せない、まさに歴史が変わる瞬間の連続である。そんななか、未発表曲「いろはにほへと」が投下される。玉屋とYUURIのラップが絡み合い、「ジャンプ!」の声にフロアが揺れる。「アガってる!くそアガってる!」。玉屋の声も思わず上ずる。
曲が終わると、オーディエンスからは「天才だ!天才!」と声が飛ぶ。そんなことは15年前からわかってるよ。
そんなフロアの興奮をなだめるように、玉屋がボサノヴァみたいなギターを弾き始めた。その音に合わせてYUURIがゆったりと歌い出したのは「FAR EAST DISCO」。そこから一気にギアを高めてWWWXを熱狂のダンスフロアに変えると、立て続けに大名曲「蒼天ディライト」。オーディエンスの手が揺れるなか、〈ばいばいじゃあねマイユース〉〈実らせればいつか見えるかな?ほら絵に描いた超絶景〉――これまでのバンドの歴史のなかで何度も大事な気持ちを込めてきたフレーズが、またしても新たな意味合いをもって響き渡った。
「何年もバンドやってきて、またいちからスタートを切れるというのは幸せなこと。その時に、これだけ心強い仲間がいっぱいいる。
マジでかけがえないです」。息も切れ切れに思いを伝える玉屋の言葉にオーディエンスから拍手が送られる。一方YUURIも感情を溢れさせる。「私はずっと玉屋さんの音楽に救われてきた人間だったので、こうやってライブで玉屋さんと一緒に歌ってて、『Wiennersじゃん、私』とやっと実感しました。ボーカルが代わるというのはみなさんの中にもいろいろな感情があったと思います。でもこうやって優しく迎え入れてくれて……」。感極まって声を詰まらせる彼女に、怒号のようなエールが飛ぶ。そして「もう覚悟は決まってますし、こんな最高のメンバーに出会っちゃったので、私はWiennersにすべてを懸けて、全力で歌っていきたいと思います!」と力強く宣言すると、「私が聞くことじゃないかもしれないけど……今後のWiennersも愛してくれますか?」とオーディエンスに問いかけた。
それに重ねて玉屋が叫んだ。「どんな形であろうと、どんなことを言われようと、生き残った奴が勝つんだよ!そして、そこに集まった輪はやがてもっともっと大きくなって、地球を飲み込むことでしょう」――そして歌い出した「UNITY」。この日いちばんのシンガロングが会場を包み込む。「これからもずっとよろしく、Wiennersだ!」。思いを吐き出した玉屋の声が、堰を切ったように自由に広がる。これまで彼らとこの曲が何度も何度も生み出してきた美しい景色が、またしても新たな1ページを刻んだ瞬間だった。
その後、ライブはアンコールの「おおるないとじゃっぷせっしょん」、そして「打ち上げ」と称してぶちかまされた「おどれおんどれ」まで、とても開放的に、そしてキラキラと輝くポジティブなムードとともに駆け抜けた。終わってみれば1時間ちょい、いつもより短いライブだった(それでも17曲やっているが)。もっと観たいし暴れたい、と思ったが、それはまた次の機会への楽しみにとっておこうと思う。
<公演概要>
『Wienners CULT POP SHOW』
2月13日東京・渋谷WWWX