内野聖陽の“ほぼひとり芝居”、こまつ座『芭蕉通夜舟』開幕「この作品を最後まで育て上げて参ります!」
撮影:宮川舞子
井上ひさし生誕90年 第三弾 こまつ座 第151回公演『芭蕉通夜舟』が、2024年10月14日に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで開幕。このたび舞台写真と、演出の鵜山仁、松尾芭蕉役の内野聖陽によるコメントが到着した。
『芭蕉通夜舟』の初演は、しゃぼん玉座第3回公演として1983年に東京・紀伊國屋ホールで上演され、演出を木村光一が手がけ、松尾芭蕉役を小沢昭一が演じた。こまつ座でも2012年に鵜山が演出、芭蕉役を十代目坂東三津五郎で上演。その後に再演も予定していたが、三津五郎の降板により待望の再演が叶わなかったため、今回は12年ぶりの上演となる。
井上ひさしが『小林一茶』に続き“俳諧師”を題材に描いた本作は、40年にわたるこの芭蕉の俳人としての人生を、ひとり語りを中心に、三十六句からなる歌仙になぞらえて全三十六景で描く。ほぼひとり芝居とはいえ、めまぐるしい舞台転換、様々な景(シーン)を支える朗唱役とも、芭蕉は絶妙な会話を重ね、その人生を彩り豊かにあぶり出す。
初日に際し鵜山は、「お客様という得体の知れない大海、果てしない大平原への旅が、いよいよ今日から始まるわけですが、是非この旅路を極め尽くし、芭蕉・井上ひさしのたどり着いたバショーに、さらに肉薄したいと願っています」