唐沢寿明、政界を操る謎めいた“フィクサー”に。「“経験”の積み重ねが役に活かせている」
でも、そのときに思ったのは、人気のある時期に冒険して、新しいことにチャレンジした方がいいなってこと。仮に失敗しても落ち幅が少なくて済むだろうって。そこから、いろんなことに挑戦できました」
井上由美子脚本の『白い巨塔』で野心あふれる主人公の医師・財前を演じたのがまさに20年前、40歳になった2003年のこと。「あの作品で随分、変わりましたね」と自身にとっても転機になったと振り返る。
「30代の頃は60歳になる自分のことなんてイメージできていなかったです。忙しくて、ひとつひとつの仕事をこなすので精一杯でした。40歳になってようやく“あ、自分ももう40代になったのか”と思って、気づいたら50代になって……」
インタビューを通じて、唐沢の口から度々発せられたのが“経験”という言葉。
「やっぱり、俳優に必要なことって人生経験だと思います。
スーツアクターの仕事も、それしかないからやっていたけど、そこで得たものは今でも活きていると思うし、これまでやってきたこと全てが自分の中にあります。年齢を重ねることって別に怖いことじゃないし、楽しいと思います。まだまだ、これからもいろんな人と交流を深めていろんな経験をしたいですね」