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新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催

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新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催


東京・日本橋の三井記念美術館では、12月1日(木) から2023年1月28日(土) まで、同館のコレクションを代表する国宝《雪松図屏風》を中心に、吉祥主題を扱った様々なジャンルの作品を紹介する『国宝 雪松図と吉祥づくし』展が開催される。新年を寿ぐ、幸福感あふれる展観である。

《雪松図屏風》は、江戸中期を代表する画家・円山応挙の作。写生に優れた応挙の、その写生の到達点とも言える作品として、通常はリアルな迫真性や、構図、空間構成といった面から語られることが多いそうだ。

だが、今回は、《雪松図屏風》のもつもうひとつの側面に焦点をあてる興味深い試みとなっている。「松」という主題のもつ永遠不変や長命のイメージ、そして画面を覆うきらびやかな金泥や金砂子がもたらす祝祭的な雰囲気から、《雪松図屏風》は、実生活においては「おめでたい絵画」として愛され、三井家でも特別なハレの日に飾られてきたという側面である。

同展では、その《雪松図屏風》を囲むように、様々な吉祥モチーフの絵画、調度品、茶道具が並ぶ。中国で「百花の王」として愛され、日本でも「富喜の華」とされた「牡丹(ぼたん)」、中国から長寿のイメージが伝来した「猫」、中国で長寿と多子の象徴とされた「武将・郭子儀(かくしぎ)」、長寿の象徴の「鶴」、おめでたいことが起こる前に姿を現すという「鳳凰(ほうおう)」、夫婦円満の「キジ」、疫病除けの「ミミズク」など、そのモチーフは実に多彩だ。
牡丹や猫のように、現代人にはあまり「おめでたい」印象のないモチーフの、吉祥であるいわれを知ることができるのもうれしいところだ。

また、特にお正月らしい展示として、七福神の作品や福徳神の能面など、三井家ゆかりの品々も出品される。

長寿や子孫繁栄、富喜といった人々の願いを託されたモチーフが、どのように美術品に取り入れられたのかが一望できる同展はまた、数々の縁起物から元気をもらえる楽しい展覧会となることだろう。

新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催

《堆朱牡丹尾長鳥香合》明時代・15世紀三井記念美術館蔵
新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催

花鳥動物図より《藤花独猫図》沈南蘋筆 清時代・18世紀三井記念美術館蔵
新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催
重要文化財《玳皮盞鸞天目》南宋時代・12~13世紀 三井記念美術館蔵
新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催

《七福神図》狩野養信筆 江戸時代・19世紀 三井記念美術館蔵
新年を寿ぐ、幸福感あふれる展覧会『国宝 雪松図と吉祥づくし』12月1日より開催

重要文化財《翁》(白色尉)(伝)日光作 室町時代 三井記念美術館蔵
<開催概要>
『国宝 雪松図と吉祥づくし』

会期:2022年12月1日(木)〜2023年1月28日(土)
会場:三井記念美術館
時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(1月9日は開館)、12月26日(月)〜1月3日(火)、1月10日(火)
料金:一般1,000円、大高500円

美術館公式サイト:
https://www.mitsui-museum.jp/

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