フランス映画界の“re:START”は? 在仏ジャーナリストが現地レポート
およそ2カ月にわたるロックダウンが5月11日より部分的に解除されてからも、いまだ機能停止が続いていたフランスの映画界が、6月に入りようやく動き始めた。撮影やポストプロダクションなどが復活し、映画館も6月22日より再開することが決定した。
ヨーロッパではドイツ、スペインが5月下旬から地域別に映画館を順次再開、イタリアは6月15日から開く中、フランスは比較的遅めで慎重だった。
映画制作の現場に関しては、撮影の衛生・安全・労働条件のための中央委員会(CCHCST)が認めたガイドラインを、労働組合と映画・視聴覚組合が合意したものが用意された。たとえば、
●セットの定員は50人をリミットとすること
●新型コロナの専門家のカウンセラーと介護師、さらにすべてのプロップの衛生管理専門のスタッフを用意すること
●食堂ではトレーなどを共有しないこと
●送迎車を必要とするキャストとメインスタッフは個々につけること
●ヘアメイクや衣装などを俳優が自宅で準備できない場合は、それぞれのスタッフはマスク着用のこと
●ロケの場合は期間中、外部の者を立ち入り禁止にし、毎日開始前と終了後に消毒すること、それができない場所は使用不可とする
などといった細かい指示がおよそ40ページにわたって書かれている。