『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』追加シーンによって作品は新たなかたちへ
(C)2019こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
2016年に公開され、異例のロングランを達成するとともに、多くの賞を受賞したアニメーション映画『この世界の片隅に』。こうの史代の同名漫画作品を原作に、監督・脚本を片渕須直が務め、主人公すずの声をのん、音楽をコトリンゴが担当し、日本が戦争のただ中にあった時代の広島県を舞台にした人間ドラマを描く作品だ。
公開後、片渕監督は場面を付け足した新しいバージョンの製作を決め、この度ついに完成。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』として本日より公開された。
追加された映像には、独立した新たなエピソードや新しいキャラクターが登場したりと、新鮮な印象が与えられる。さらに興味深いのは、もともとある物語の意味に変化を与えたり、物語の裏に隠されていた謎が明かされる部分だ。
本作はその意味で、ただエピソードを付け加えたものではなく、まったく別の新作と言って間違いないだろう。超ロングラン公開を果たした『この世界の片隅に』を経て、片渕監督が新たに描きたかったものは何なのか。
劇場で目に焼き付けてほしい。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
公開中