『グラディエーターII』双子の皇帝は「つねにミステリー」フレッド・ヘッキンジャーが語る
愛情はある。でも、それだけじゃない。ふたりの皇帝の間には本心の見えない緊張感があるのだ。
「それこそが僕たちが目指したことでした。ジョー(ジョセフ・クイン)とは相性が抜群で、最初の段階から意気投合しました。お互いのホテルの部屋を行き来して、時には宅配ピザを分け合いながら(笑)いろんなアイデアを出し合って演技を作り上げていきました。僕たちが出したかったのは“二面性”でした。ふたりはお互いに双子として愛する心はあるんだけれど、ライバル心もあったりして、実際に何を考えているのか本当のところはよくわからない。
そこはすごく表現したかった部分です」
ふたりの掛け合いはリズム、トーンともに変幻自在で、緊張感が高まる場面もあれば、まるでコメディを見ているようなテンポで演技が繰り広げられる瞬間もある。
「実際に演じる上ではジョーとの相性がよかったので、言わなくても伝わっている部分が多く、相乗効果で細かい部分まで芝居が出来上がっていったと思います。人生は悲劇と喜劇が混在しているものだと思っていますから、笑えないような状況であってもコメディの要素を入れることで、飲み込めてしまう場合がありますし、人間は相手や場面によって違った表情を見せるものですから、自分の人生の感情形成を振り返って“この人といる時はこんな感情だったな”と思い返したり、考えたりしながら演技をしました。