クィーンの人生を“生きる”。映画『ボヘミアン・ラプソディ』キャストが語る
しかし、あくまでも準備は準備でしかない。リーは「実は“ライヴ・エイド”のシーンから撮影が始まったんだ。本当に気が重かったよ」と笑顔で振り返る。「事前に映像を徹底的に観て、何度もチェックして“この曲のこのフレーズではブライアンのギターはこの位置にあるな”と繰り返し確認したよ。ブライアンの見た目や身体的な特徴を習得して、バンドの関係性も理解した。でも何よりも大きかったのは、撮影の初期の段階からブライアン本人がいてくれたことだね。彼は僕に『君はロック・スターなんだ。つまり自分のスピリットとソウルで演じてくれ』って言ってくれた。
本当にうれしかったし、大きな助けになったよ」
マッゼロも事前に多くの映像や資料をチェックした。しかし「どれだけ本人に近づけたとしても必ずギャップはあるもので、俳優は学んで似せようとする部分と自ら作り出していく部分がある」という。「ライブやインタビューの映像をたくさん観ても、彼らがプライベートな時間にどんな風に過ごしていたかはわからない。それは記録映像には絶対に写っていない部分だからね。そこをどう演じるかで本人を“コピー”しているのか、“役を生きる”のか、違いが出ると思っていたんだ。