クィーンの人生を“生きる”。映画『ボヘミアン・ラプソディ』キャストが語る
僕はそんな“人間としてのフレディ”を理解したかった。それはもしかしたら、フレディ・マーキュリーではなくファールク・バサラを見つめる営みだったのかもしれないな」
本作は、フレディの人生を主軸にしながら、クィーンの名曲誕生に隠された秘話や、メンバーが時に衝突しながら成長し、世界中のファンを魅了していく様が描かれる。リーは「彼らは“音楽が生み出されること”が、他のどんなことにも勝る関係にあった」と分析する。「僕が劇中で好きなのは、メンバーがぶつかり合いながら『地獄へ道づれ(Another One Bites the Dust)』が出来上がっていく場面だ。彼らは4人とも強烈なエゴがあったと思うけど、それらが衝突し、葛藤の頂点で新しい音楽が生まれ、そのことが他のすべてに勝ってしまう。そこが素晴らしいんだ!」
しかし、マッゼロ曰く「他の人には嘘をつけても、バンドのメンバーには嘘をつけない」状況で、彼らは追いつめられていく。さらにフレディは愛する女性メアリー・オースティンと交際するが、自身の性的指向に悩み、ド派手なパーティを開いても孤独や哀しみを癒せず、深い闇を彷徨うことになる。「フレディがあそこまでの成功をおさめるためには、相当なエゴが必要だったと思う。