2022年3月24日 07:00
中島健人のエネルギーの元は?「辛いことや失敗したことをチャンスに変えて」
その考え方のギャップがワクワクしました」
本読みでそのギャップはすぐ埋められた。監督からも厳しい演技指導も受けたことで、表現者として学ぶことが多く、演じ方でも変化があったという。
「たとえば、涙のシーンってものすごく難しいんですよね。単純に涙の雫が落ちればいいというわけじゃない。本当にこの人はこの場面で思わず泣いちゃったんだな、と観ている人に伝わるのが一番美しい涙のシーンであり、それを追求するのは本当に難しいんですよ。いかに自然に立ち回るか、というのはこの現場で学んだ気がします。
この作品が、自分の表現者としての背中を後押ししてくれているのは間違いない。監督がものすごく厳しかったので、こだわりのある繊細な表現はテイク数も重ねましたし、洗練されていった部分も大きいんだと思います」
今回は監督の発案で、晴人が美咲と会っていないシーンでは、台本でも美咲の部分は空欄だったという。
それもお芝居に「最高の影響」を与えていた。
「僕の場合は、余計な情報を演じる前に入れたくないんです。共演される方の情報もあまり入れないようにしています。役としてのイメージと、その人のイメージを直結させたいので、何か媒介しちゃうと、結構にじんじゃうんですよね。