くらし情報『教育を問い直す、東京デスロックの新作『Anti Human Education』』

教育を問い直す、東京デスロックの新作『Anti Human Education』

には、「非人間」と医学用語で「抗ヒト」のふたつの意味が込められている。クリエーションにあたって参照したのは、近代教育のバイブルとされるルソー『エミール』と、育児本、教育本、殺人事件などの資料。さらに、日替わりでゲストに迎える教育の専門家たちにも取材し、その内容をメンバー内で共有しながら、パフォーマンスの構成を練っている。

「ルソーが教育を通じて変革しようとしていた不平等や格差の問題は、今の社会にも通じるものです。劇中では実際に犯罪を犯してしまった人もモチーフとして使ったりもするので、もちろん被害者の方を一番に考えて作ってはいますが、でも重要なのは、どうして彼らが犯罪を犯すに至ったのかということ、そこに感情移入したい。教育の目標は、社会を構成するための心身ともに健康な人を育成することとされていますが、実際にはそこから外れる人が出てきている。外れるということがある時点で、もうそれは非人間を生み出すシステムでしかないのではと問いたい。その上で、ゲストのお力も借りつつ、もしかしたら変えられる可能性があるんじゃないかと考えてみたいと思います。
そうやって何かしらこの作品が、ヒトに効くワクチンのようになれたらいいなと」

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