GLIM SPANKY『All the Greatest Buddies Tour 2025-2026』終幕!ラブサイケデリコを迎えたファイナル公演のオフィシャルレポート到着
Photo:上村窓
GLIM SPANKYが対バンを迎え、全国4カ所を回るツアー『All the Greatest Buddies Tour 2025-2026』のファイナルが、1月17日東京・Zepp DiverCity Tokyoにて開催された。
東京・下北沢はサニーデイ・サービス、大阪はドレスコーズ、名古屋はOKAMOTO’S、そして今回はLOVE PSYCHEDELICOが出演した。LOVE PSYCHEDELICOは、GLIM SPANKYの松尾レミ(vo/g)と亀本寛貴(g)が出会う前から活動するバンド。フェスやイベントでの共演とともに仲を深め、2024年にはGLIM SPANKYのシングル「愛が満ちるまで feat. LOVE PSYCHEDELICO」を共作している。のちのMCで松尾があえて“友達”という言い方をしたように、GLIM SPANKYのふたりにとって、LOVE PSYCHEDELICOは、憧れの先輩であり世代を越えた同志でもあるのだろう。
先行はLOVE PSYCHEDELICO。BGMが止み、まずはNAOKI(g)とサポートメンバーが登場。「Everybody needs somebody」のイントロを演奏する。
揺れる会場の波とともにKUMI(vo / g)がステージ上に現れると、大きな歓声が沸く。ナチュラルなブルーのワンピース姿で気ままに飛び跳ねダンスするKUMI。ビシッとロックなスタイル、内股前かがみでのカッティングが様になるNAOKI。ある部分では対照的なふたりのアイコンのマッチングは、ロックンロールの持つ自由そのもののよう。
LOVE PSYCHEDELICO / GLIM SPANKYPhoto:上村窓
LOVE PSYCHEDELICO / GLIM SPANKYPhoto:上村窓
待ってましたの初期ヒット曲「Your Song」と「LADY MADONNA ~憂鬱なるスパイダー~」では、GLIM SPANKYのふたりもステージに。松尾はコーラスやハモリだけでなくソロでも歌い、NAOKIと亀本のギターバトルも繰り広げられる。風を味方につけたようなLOVE PSYCHEDELICO、熱く燃える火のようなGLIM SPANKY。そんな両者のコントラストがやがてひとつになっていく。
演奏後、GLIM SPANKYのふたりがステージを捌けるタイミングで、ハグを交わした松尾とKUMIのお互いの頭が軽くぶつかるという、会場を和ませるちょっとしたハプニングも。そしてラストは「Freedom」。甘く力強いメロディに乗って響くタイトルは、きっと多くの観客の胸に刻まれたことだろう。
LOVE PSYCHEDELICO / GLIM SPANKYPhoto:上村窓
GLIM SPANKYPhoto:上村窓
転換を終え、「Intro: Walking On Fire」が鳴る。松尾と亀本をサポートするメンバーは、栗原大(b)、中込陽大(key)のお馴染みのメンバーと、お久しぶりの大井一彌(ds)。1曲目は「カメラ アイロニー」、そこから「Fighter」、「怒りをくれよ」のファストなバンガー3連発。続くMCで亀本が「LOVE PSYCHEDELICOは好きだけど、GLIM SPANKYは好きじゃない人いる?」と冗談交じりで言っていたが、即効性に軸足を置いたストロングスタイルのスタートは、ワンマンと比べると短尺でGLIM SPANKYを知らない観客もいるかもしれない対バンツアーならではと言えるだろう。
「10年くらい前にLOVE PSYCHEDELICOとイベントで一緒になったときに、NAOKIさんがGLIM SPANKYの楽屋に顔を出してくれて、〈LOVE PSYCHEDELICOのバンド名にはサイケデリックという言葉が入っているけど、君たちはLOVE PSYCHEDELICOよりもサイケデリックな音楽やってるね〉と言って帰っていったのを覚えていて、そこから仲良くさせてもらってます」と、松尾が両バンドの出会いについて話し、ソフトなサイケデリックバラード「美しい棘」へ。
そこからフォーキーなテイスト繋がりで「風にキスをして」が続く流れは、東京のライブハウスにのどかな田園風景が見えるよう。パワフルなロックだけでなく、音から見える景色に浸れるサウンドスケープのバリエーションも、GLIM SPANKYの音楽/ライブパフォーマンスの大きな魅力だ。
GLIM SPANKYPhoto:上村窓
GLIM SPANKYPhoto:上村窓
「今回の対バンツアーでは、日替わりで1曲、松尾さんは対バン相手にあわせてチョイスするコーナーがありまして」と亀本が話し、「そうです。去年はLOVE PSYCHEDELICOのツアーでゲストボーカルとして歌わせてもらって、そのときにやったカバー曲をやります」と松尾が続ける。「黎明期のロックを採り入れてるバンドって意外に少ない。特に日本のバンドは」と亀本。「今日来てる人たちは、そういうの採り入れてるバンドばっか聴いてる人たちだからね(笑)」と冗談交じりに松尾が言うと場内にも笑いが。そして始まったのはジャニス・ジョップリンのカバー「Move Over」。
『SUZUKI ワゴンRスティングレー』のCMで松尾が同曲を歌い話題になったことでのちにシングルリリースされた、GLIM SPANKYが世に知られるきっかけとなった曲のひとつだが、ライブで披露されることはレア。松尾の眼光の鋭さが伝わってくるようなボーカルに多くの観客が釘付けに。そして大合唱アンセム「衝動」で場内に突き上がる無数の拳。ふたたびスピードのギアを上げて「ワイルド・サイドを行け」を演奏してボルテージの上昇はピークに達する。
「そして、これが新年初めてのライブ。あけましておめでとうございます。次で最後の曲ですが、ここでお知らせがあります」と松尾。亀本が「我々、GLIM SPANKY、2026年1発目、お知らせがあります!」と盛り上げ、「GLIM SPANKY、3月25日にアルバムの発売が決定しました」と松尾が続ける。
タイトルは‟ふ化をする“、“花が開く”といった意味を持つフランス語で『Éclore』(読み:エクロール)。松尾が昨年体調を崩しライブもキャンセルせざるを得なくなった療養中、回復への不安と進化への渇望のなかでほとんどの歌詞を書いたことが、きっかけで決めたタイトルだそう。‟新しい自分になる“、“殻を破る”といったテーマのもと、さまざまな話の入った短編小説集のようになっていて、アルバムの曲のどれかが、誰かのシチュエーションにはまる主題歌になってほしいという想いを込めたと話す。そして、そんなアルバムを引っ提げたツアーの開催も発表。ライブでの大定番曲「大人になったら」を演奏する、GLIM SPANKYの王道を貫く展開で本編を締めた。
GLIM SPANKYPhoto:上村窓
アンコールは2曲。亀本のスキルと色気が爆発するギターソロから「愚か者たち」、ラストはLOVE PSYCHEDELICOのふたりを呼び込み「愛が満ちるまで feat. LOVE PSYCHEDELICO」を共演。4人とサポートメンバーがステージをあとにしても、しばらくハッピーな空気に包まれたフロアが印象的だった。
松尾は今回の対バンツアーを指して“パーティー”という言葉を使っていた。パーティーには仲間という意味もある。また、松尾は‟チーム“、“一緒に”といった言葉もよく使う。演者、観客、スタッフ、世代、価値観。音楽には、ロックには、人と人とのあらゆる境界線を溶かし、全員が主役になれる世界を作ることのできる魅力がある。そんな可能性を示した今回のツアーは、きっとこの先のGLIM SPANKYのアップデートに大きく寄与することだろう。
Text:TAISHI IWAMIPhoto:上村窓 / タカギユウスケ
サニーデイ・サービス(2025年12月02日 下北沢シャングリラ 出演)Photo:上村窓
ドレスコーズ(2025年12月21日 大阪ゴリラホール出演)Photo:上村窓
OKAMOTO’S(2025年12月25日 名古屋DIAMOND HALL出演)Photo:タカギユウスケ
LOVE PSYCHEDELICO / GLIM SPANKYPhoto:上村窓
<公演情報>
『All the Greatest Buddies Tour 2025-2026』
1月17日 東京・Zepp DiverCity TOKYO