堂本剛は「生まれ持って何かを持っている人」荻上直子監督が語る新作『まる』
『川っぺりムコリッタ』『波紋』と立て続けに新作を発表している荻上直子監督が、堂本剛を主演に迎えた新作『まる』を完成させた。本作は、自分の人生を自身で制御できなくなってしまった主人公が数奇な体験をするさまを描いた作品で、荻上監督は「この映画は観る人によって捉え方が違うし、面白いと思うポイントも変わってくると思う」と語る。
キャリアの初期作『バーバー吉野』の時点から荻上作品は強烈な個性を放っていた。日常的な風景の中で繰り広げられる寓意に満ちたドラマ、独特のテンポと語り口、セリフを介しない場面のインパクトの強さ……最新作『まる』にもそのすべてがあるが、本プロジェクトは堂本剛の存在がすべての始まりだったという。
「やはり堂本さんの存在がすべてのはじまりでした。ずっと前から堂本さんの“生きづらそうにしている姿”にひきつけられていて、ずっと興味のある存在でした。今回の作品に出演していただけることになって、堂本さんの過去のインタビュー記事を読んだのですけど、“若い頃はとにかく忙しくて、これが自分のやりたいことなのか、そうではないのかもわからなくなってくるほど働き続けて、自分が自分なのかわからなくなってしまった。