【レポート】素晴らしいバンドメンバーとともに! imaseが初のオンラインライブ「POP ROOM」を開催
Photo:Yoshifumi Shimizu
音楽活動スタートから約1年でメジャーデビュー。“imase with PUNPEE & Toby Fox”名義で発表された「Pale Rain」(『ポカリスエット』CM主題歌)が話題を集めたほか、自身の楽曲がSNS、ストリーミングを中心に急速に拡散されているimaseが、12月19日に初のオンラインライブ「POP ROOM」を開催した。記念すべき“人生初ライブ”をレポート!
2020年11月、友達がギターを始めたことをきっかけに楽曲を作り始めたというimase。TikTokに投稿した楽曲で注目され、昨年12月に1stデジタルシングル「Have a nice day」でメジャーデビューを果たした彼は、その後もCM曲、ドラマのタイアップ曲を手掛けるなど、活動の幅を大きく広げ続けている。初のオンラインライブ「POP ROOM」でimaseは、デビュー後の新たな進化と自らの圧倒的なポテンシャルを改めて証明してみせた。
ライブは11月にリリースされた1stデジタルEP『POP CUBE』の収録曲を中心に進んだ。
オープニングは「逃避行」。歌っているのは、imaseのプライベートスタジオを想起させる場所。
椅子に座った状態で機材を操作しながら歌い、ときどきカメラに視点を向ける演出は、“自宅で作った曲を配信することでアーティスト活動をスタート”させた彼のキャリアそのものだ。スマートフォンの縦画面を活かした映像も、TikTokなどで支持を広げたimaseらしい。ゆったりとしたグルーヴと〈泣き出す君と抜け出す街を/行こう行こう行こう〉というラインが溶け合い、音楽が自然に浸透してくる感覚も印象的だった。
2曲目は心地いいテンポとともに〈明快なstoryのように/思い通りいかないloding〉というラインが絡み合う「アナログライフ」。画面自体が左右に広がると、そこにはミュージシャン(BOBO/Ds、林あぐり/Ba、モリシー(Awesome City Club)/Gt、松本ジュン/Key)の姿が。立ち上がったimaseは「はじまるぜ!」とシャウトし、体を揺らしながら切なくも愛らしいメロディを紡ぎ出した。
「“POP ROOM”へようこそ!imase初のオンラインライブ、楽しんでください!」という挨拶を挟み、「あべこべ」へ。タイトル通り、あべこべの感情を抱えた状態をポップに昇華したナンバーだ。
タイトなビートと軽快なギターカッティング、しなやかなシンセベースが響き合うなか、生々しいボーカルを描き出すimase。熱を帯びたサウンドによって、彼自身のテンションもさらに上がっていった。
「(冒頭の演出について)“あれ?こいつ、実家で撮ってるの?”と思ったりしませんでしたか?そんなわけないですよ、そんな強メンタル持ってないので(笑)。この素晴らしいバンドメンバーとともにやっております!」というMCの後は、imaseのカラフルな音楽性、配信ライブなら出の演出を体感できるシーンが続いた。
まずは「コロナ禍だったり、まだまだ忙しい日々が続いていると思いますが、そんな方々に届けます」という言葉に導かれた「でもね、たまには」。音数を抑え、すき間を活かしたアレンジ、そして、“たまには休憩しましょうよ”的なリリックがふんわりと伝わり、リラックスしたムードが生まれる。ファルセットの歌、凛としたラップのコントラストも気持ちいい。
切ない恋愛模様を映し出す「I say bye」ではimaseがスタジオから出て、廊下で着替えてからまたステージに戻る。
するとそこには“CUBE”(立方体)をイメージした照明が。さらに“渋谷のクリスマス”をテーマに制作された「Holy Light」でロマンティックなムードを演出。エッジの効いたビート、緻密なアレンジメント、鋭利なラップ、浮遊感のある旋律がひとつになった「Pale Rain」では、幻想的なライティングで楽曲の世界観を際立たせる。そして極上のダンスチューン「NIGHT DANCER」へ。
体を揺らしながら「踊ろうぜ!」と呼び掛けるimase自身からも、初めてのライブをしっかり楽しんでいることが伝わってきた。すべての中心にあるのはやはり、imaseの歌。表情豊かなファルセット・ボイス、凛とした手触りのラップ、言葉の響きを活かしたフロウを共存させた彼のボーカルスタイルは既に唯一無二だ。
「メジャーデビュー1周年の節目ということで、このようなライブをすることができました!」というMCから、これまでの活動を振り返るトークも。
2年前に友達の影響でアコギを購入し、弾き語りカバーを経由して、オリジナル楽曲の制作をスタート。
ちょうど1年前にメジャーデビューを果たし、その後も様々な経験を重ねながら、ここまで来た――。“突如として現れたニューカマー”という印象もあるimaseだが、その過程にはもちろん、多くのトライ&エラーがあったはず。彼の言葉からは、自らの感覚を信じ、音楽と真摯に向き合い続けてきたデビュー後の日々を感じ取ることができた。
ラストはメジャーデビュー曲「Have a nice day」。imase特有の親しみやすいメロディと〈戻れないね離れないで/喜びも驚きもない中で〉という印象的なラインが広がるなか、ライブはエンディングを迎えた。
2023年3月30日(木) には、渋谷・WWWで初の有観客ライブ「POP OVER」の開催が決定。“人生初”オンラインライブでアーティストとしての魅力をダイレクトに示したimaseは来年以降、大きな飛躍を果たすことになりそうだ。
Text:森朋之Photo:Yoshifumi Shimizu
<公演情報>
imase ONLINE LIVE『POP ROOM』