道枝駿佑「やりたいことが尽きない」アイドルとして挑み続ける“ミッション”
(撮影/梁瀬玉実)
なにわ男子の道枝駿佑が頭脳明晰、運動神経抜群だが、人付き合いが苦手な“一匹狼”の刑事を演じる『M.I.S.S.I.O.N.歌劇な潜入捜査官』が現在、Prime Videoで配信中だ。大学のキャンパスに女装で潜入捜査したり、ミュージカルの公演に参加したり、様々なミッションに挑む主人公を演じた舞台裏をたっぷり直撃インタビュー。役どころと同じく、戸惑いながらも真摯に“歌劇のミッション”にチャレンジした道枝の現在のアイドルとしてのミッションとは?
女装&ミュージカルに挑戦! 一匹狼の刑事・奏多との共通点
今作は、道枝俊佑が演じる新人刑事の松見奏多が、男子がほぼいない芸術大学への潜入捜査を命じられることから始まる物語。抜群のルックスを持つ奏多が女装をして、現役女子大生になりきり、ドローン爆弾事件の犯人を捜すという困難なミッションに挑むことになる。
「今回は、女装をしての潜入捜査をするという役どころ。ドラマでは『俺のスカート、どこ行った?』(2019年)で女装をすることがあったのですが、あれから7年くらい経って、大人になっていますからね。成長して、顔もハッキリしているので『俺スカ』の時みたいにキレイに女装できるのかなと思ったんですけど、スタッフさんや共演者の皆さんから『キレイ』と言っていただけたので良かったですね。最初は、女子大に馴染むようなメイクをするなど、奏多もいろいろ考えて潜入しているので、その辺りを考えた女装になりました。
ここは潜入何日目だからちょっと馴染めてきて、ここまでちょっと声を高くしなくてもいいか、というような調整をして演じました」
演じる奏多は、刑事としては優秀だが他人と関わることが煩わしい一匹狼タイプ。任務遂行に邁進しているエリートだ。学内でのミュージカル公演の主演が命を狙われていることから、ミュージカル公演に出演しながら犯人捜しをすることに。本番に向けて稽古をするうちに人とコミュニケーションをとる楽しさに気づくという成長するキャラクターでもある。
「最初は嫌々潜入していることもあって、あまり人とも関わろうとしなかったんですけど、ミュージカルシーンの稽古や聞き込み調査で生徒のみんなと関わることで、今まで一匹狼だったのが、仲間ができるんですよね。それは奏多としては、初めての経験。最初の方と最後の方では、違う表情を見せられたらいいなと思っていました。奏多が一人で任務に没頭する一匹狼タイプで行動するところは、普通に理解できました。
僕も人と接するときに、ちょっと一線を引くタイプではあると思うので、そこはちょっと似ているのかなと思いますね。人に対して踏み込みすぎないように心がけていて、自分も踏み込すぎて欲しくないところはあるかもしれませんね(笑)」
声楽科のエースであるミュージカル公演の主役の春菜(久保史緒里)から見込まれ、自分の相手役であるヴァンパイア伯爵役に指名をされる奏多。元々ダンスが得意だった奏多だが、ミュージカル公演のため、ミュージカルメンバーと公演に向けて稽古を積み重ねる場面も。
「この作品をやることが決まってから、ミュージカルシーンがあるっていうのを聞いて、『あ、そうなんだ』ぐらいしか思ってなかったんですけど(笑)。蓋を開けてみたら、5曲ぐらい覚えなくてはならなくて結構大変でした(笑)。ヴァンパイアの恰好で踊るシーンもあって、振り付けを覚えるのも時間がかかったんですよ。ミュージカルということで、普段のダンスとは変えたつもりはないんですけど、普段あまり取らない音があったり、音を聞かないとカウントしづらくて踊れないということがあったりして。ミュージカルっぽく見せるために、歌う時の口をいつもより開くなど、いろいろアドバイスをもらいながら挑みました」
「もっとアドリブ力を磨きたい」女性キャストに囲まれた撮影現場
本格的なミュージカルシーンもみどころだが、道枝のコメディタッチな芝居が光る今作。
個性豊かな女子大生役のキャストたちとのテンポのいい掛け合いセリフもみどころのひとつになっている。
「基本的にアドリブはあまりなかったんですけど。寮長とのシーンでアドリブをしたら、カットされていたんですよね(笑)。割と自由にやれたので、もっとアドリブ場面を面白くできたかなというのはあります。共演者の皆さんのアドリブに返す、反射神経みたいなのが必要になってくるなぁと。もっとアドリブ力を磨きたいなと思いました」
ミュージカルシーンでは、春菜役の久保史緒里や美鈴役の石井杏奈ら、ダンス経験者と一緒に本格的なダンスに挑む場面も。現場でもダンスや歌を通して、少しずつ絆が生まれていき、同世代ならではの和気あいあいとした空気で撮影が進んでいったという。
「久保さんと石井さんはお二人とも、元々グループに所属されていたので、ダンスが得意で。
ミュージカルシーンの場当たりでは、『ここをこうしたらいい』とか、位置の確認もスムーズですごくやりやすい環境にして下さったので、助かりました。女性の方々が多い作品は今まであまりなかったので、女性陣のパワーみたいなのを感じて。ミュージカルシーンや練習のシーンも迫力があって、そこに必死についていく奏多という姿をしっかり表現できたと思います。大変だった分、見応えあるシーンになったと思います」
キャンパスに潜入したり、学生寮で生活する中で、奏多が女子大生たちに振り回される展開も多々ある。そんな翻弄されるシーンでの奏多の可愛らしい表情は、ときめきポイントになること間違いなしだ。
「そうですね、そこは、ときめきポイントでもあります。いろんな女性に振り回されて、奏多は気疲れしてしまう(笑)。一番ドキッとしたのは、美鈴さんのシーン。
とくにダンス練習のシーンで美鈴さんに手を差し伸べられて、手持つけどバッと離された瞬間に、『ド素人の癖に!!』って言われるんです。そこは、『えっ、コワっ!!』って本気でビックリしましたし、奏多が可哀想だなぁと思いました(笑)。スパルタ舞台稽古で精神的に追い込まれてから最後に言われる一言は、トドメを刺された、みたいな気持ちになりましたから」
女装で実感したメイクの大変さ「メイク好きのりゅちぇはすごい」
道枝にとって女性たちばかりの現場は、珍しいとのことで、「現場は女性ばかりだったので、『どうすればいいんだろう』ってちょっとだけ遠慮がちになりました(笑)」と笑う道枝。「石井さんとは、昔、関西ジュニアを担当されていた振付師さんが共通の知人だったので、振付師さんの話をしたりしましたけど。個々にお話しするぐらいで、皆さんの女子トークに僕も混ざって参加するというよりは、少し遠巻きに皆さんのトークを聞いていましたね」と話す。今回は女装やヴァンパイア伯爵など、変装シーンもたくさん。スラリと身長が高い道枝が女装したら、キャンパスで目立ちそうだが……。
「そうですよね。
女子大生の中に変装して、潜入するのは、僕だったら、多分無理だと思います。溶け込めないと思いますもん(笑)。普段は変装することはなくて、帽子をかぶったり、マスクをしたりするくらいです。今回、女装シーンではしっかりメイクをするのが意外と大変で……。僕は普段は ファンデーションを塗るぐらいで、メイクは少ないんですよ。アイメイクやマスカラ、眉マスカラ、アイライン、チークとか全くしないので、メイクをする人って毎日こんな大変なことをしているんだなと改めてリスペクトの気持ちが芽生えました。メイク好きのりゅちぇもすごいなって。メイクをするシーンは、難しかったんですけど、奏多自身も普段あまりメイクをしないタイプのキャラだったので、もう本当に何も知らずにやって大丈夫だったので良かったです」
若きエリート刑事である奏多の身軽で華麗な身体能力の良さを発揮した冒頭のアクションシーンは注目。
道枝の長い手足を活かした立ち廻りが見られる。
「冒頭のアクションシーンは、一発撮りの1カットで撮ったんです。奏多は冷静さもあって余裕がありながらのアクションを決めるシーンなのですが、モニターチェックをしたら、僕がちょっと余裕がなさそうな顔をしていたので、もう一回やり直せないかとお願いしして、再トライをして挑みました。おかげでいいシーンになりました」
そして、作品を盛り上げる主題歌は、なにわ男子の「BLACK OUT MISSION」。スリリングでスタイリッシュなサウンドのダンスチューン。「君のハートを盗み出すMISSION」を密かに遂行するような楽曲で、セクシーで危険な香りを纏うなにわ男子の新たな一面が堪能できる一曲に。
「いつもの僕たちとはちょっと違うような感じの曲調の楽曲ではあるんですが、これまで事務所の先輩方がやられていたような曲調でもあると思うので、懐かしさもちょっとあるのかなと。作品にもピッタリな曲になっていると思います」
事務所の先輩方がやってきた曲調ということで、これから道枝が事務所の伝統で受け継ぎたいことに質問が及ぶと真面目な表情を覗かせる。
「やっぱり事務所ならではだと思うのは、ジュニアの子たちがバックについてくれたり、ジュニアの子たちと一緒にやること。 あとはフライングとか、パフォーマンスもそうですね。 先輩方がやられてきたことを、どんどん下の世代にこう受け継いでいって、僕らもやってきたこともあるので、それは忘れずに、今のジュニアの子たちにも受け継いでって欲しいなと思いますし。僕らを応援して下さっている若いファンの方はもちろん、僕らを知らない世代の方にも受け継いでもらうことで知ってもらえると思うので、いろいろ発信できる場所がいっぱい増えたからこそ、続いていってほしいですね」
アイドルとしての“尽きないミッション”
道枝自身が大切にしてきた教えについて聞いてみると、「“元気にやれ”っていうのは常に言われていましたね。大人になった今の僕たちが元気にシャカリキにめちゃくちゃやるかと言われたらそういう瞬間ばかりではないですけど。見て下さる方が応援したくなるようなパフォーマンスは大事だなと思うんで、これからも初心を忘れずにやれたらいいなと思います」と関西ジュニア時代からの元気さは忘れたくないよう。
仲間と過ごしていく中で、変化していく奏多のように道枝自身が仲間と過ごしていく中でハマったものはあるのかという質問には「えー。何でしょうね」と、しばらく熟考。「メンバーの影響でハマったものといえば、ライブの時に楽屋でサンダルを履くようになったこと。ずっと靴を履いていたので、サンダルの方が楽やってことに気づきました。プライベートでもサンダルをよく履くようになったのは、メンバーの影響もあるかもしれないですね」とニコリ。
ミュージカルの稽古に挑むうち、青春の日々を過ごす奏多にかけて、「最近、青春しているなと感じたこと」を直撃。現在はライブツアーの真っ最中。多忙の日々の中で、この夏、青春を感じた瞬間はあるのだろうか。
「あ、そうめん食べました! 今年も宮城公演の時にメンバーとスタッフさんと皆でいただきました。りゅちぇと丈くんがめっちゃ食べてたかな。僕は一瞬だけちょっと顔を出してちょっと食べたんですけど、夏らしいことができたので良かったです」
奏多にとって、続発するドローン爆破事件の犯人の正体を暴くのがミッション。道枝のアイドルとしてのミッションとは?
「えー、アイドルとしてのミッションですか。難しいなぁ……。ミッションって、経験を積み重ねれば重ねるほど、新しいミッションがどんどん出てくると思うんですよ。だから、それをクリアし続けていくことが僕のミッションですね。何歳までにこういうことを叶えたいとか、こういうライブがしたいというのもミッションですし。そういったやりたいことが尽きないからこそ、その尽きないミッションを叶えていくというのが、僕の大きなミッションです」。
アイドルとして目の前にあることに挑戦し続けることがミッションという道枝。本作は、奏多の「青春やり直し」の物語でもある。人に踏み込まれたくない、人嫌いだった奏多が捜査官であること忘れたように、学生時代に味わえなかった青春を感じるストーリー。そんな姿から仲間に時には誰かに寄りかかることも大切と教えてくれる。道枝自身も仲間たちと過ごす時間は、大切なものだという。
「それこそ『こういうことで悩んでいて』とか、家族やメンバーに話すと、すごく安心するような答えをしてくれるので、気が楽になりますからね。まず一旦は自分で悩んで考えて。で、自分ひとりで抱えきれなくなったら、メンバーに言うみたいな感じです。メンバーが僕の言うことに共感してくれることもあれば、僕がメンバーの話を聞くこともあります。お互いのメンタルケアをしている感じというか。そんな存在であるメンバーは隣にいてくれるだけで心強いし、安心感があります」
『M.I.S.S.I.O.N.歌劇な潜入捜査官』
Prime Videoにて配信中
https://sp.storm-labels.co.jp/mission/
撮影/梁瀬玉実、取材・文/福田恵子
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