何度も観たくなる映画を目指したい。岩井俊二監督が語る新作『チィファの手紙』
(C)Munehiro Saito
岩井俊二監督の新作映画『チィファの手紙』が公開になる。本作は岩井監督が中国で手がけた新作映画で、今年1月に公開された『ラストレター』と同じ原作を基にしている。これまでもひとつの作品を小説や連続シリーズ、映画など様々な分野で描いてきた岩井監督は、ふたつの作品をどう捉えているのだろうか?
本作の主人公チィファは亡くなった姉チィナンの同窓会に出かけ、姉に間違えられ、学生時代に憧れていたイン・チャンと再会する。連絡先を交換したチィファは、夫にスマートフォンを破壊されてしまったことから、チャンと“手紙”でやりとりを始める。
本作は岩井監督が中国に渡り完成させた作品だが、以前から「40代でアメリカで、50代で中国で映画を撮るのを目標にしていた」と語る。
「これまでのキャリアの中で日本、アメリカ、カナダ、フランスで映画をつくってきて、『チャンオクの手紙』(ぺ・ドゥナを主演に迎えた短編)で韓国に行ったんですけど、香港や台湾で撮影したことはあっても中国で映画をつくったことはなかった。それは自分の中のひとつの目標になっていたんです。撮影する環境を少しずつ広げていっているので、ひとつアイデアを考えると、それぞれのプロデューサーと話をして、意見を聞いたりしながら、結果として一緒やろうとなったのが今回はたまたま日本と中国だったということです」