眞島秀和が老執事を演じる朗読劇『日の名残り』本日開幕
『わたしを離さないで』などで知られ、2017年に満を持してノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人作家、カズオ・イシグロ。その出世作で、1989年に英語圏最高の文学賞とされるブッカー賞に輝いた『日の名残り』が朗読劇として立ち上がる。上演台本と演出を手がけるのは、「KPR/開幕ペナントレース」主宰の村井雄。目黒区職員を経て劇団を旗揚げしたという異色の経歴を持ち、海外公演も積極的に行っている気鋭の脚本・演出家だ。
舞台はふたつの世界大戦から戦後にかけてのイギリス、主人公は執事のスティーブンス(眞島秀和)。物語は、1956年の“現在”と、1920年代から30年代にかけての回想シーンを往復しながら進んでいく。“現在”のスティーブンスは、敬愛していた前の主人・ダーリントン卿(マキノノゾミ)の死後、その屋敷を買い取った富豪のアメリカ人・ファラディ氏(ラサール石井/桂やまと※ダブルキャスト)に仕えていた。屋敷が抱える人手不足に悩むスティーブンスは、かつて共に働いていたミセス・ベン(大空ゆうひ/小島聖※ダブルキャスト)の復帰を願い、彼女に会いに行く。
旅の道すがら、ダーリントン卿がまだ健在で、ミス・ケントン(ミセス・ベンの旧姓)