2022年4月3日 20:00
「自慢の相方を持ちました」さくらしめじが青春群像劇で表現した、音楽への強い思いと成長
そんな彪我に雅功がためらいながらも声をかける。
「ねえねえ、1個、相談があってさ」と、切り出すが、彪我の「やっぱ趣味でやる音楽って最高だなあ、本当に」という言葉にかき消されてしまう。サッと表情が曇る雅功。解散しようと言ったのは彪我。でも、雅功にはまだまだ未練がある。それがはっきりとわかる場面だった。言葉に出さなくても短い時間の中で雅功の心の変化が表情に現されていて、胸が締め付けられる。
「やっぱり、もう1回俺とやろう、音楽」
一方、彪我は、大学から帰ってきても、家探し、就職活動で忙しそうだ。
きっと、彪我が出て行っていけば、本当に終わりを迎えてしまう。
でも、いまならまだ間に合うのでは?観ていてそんなハラハラを抱かせる。
そこでとうとう、雅功が切り出す。
「やっぱり、もう1回俺とやろう、音楽」
しかし、彪我の表情は冴えない。
「無理でしょ」「俺の中で終わってる」
彪我は無理に強い言葉を使っているように見える。でも、雅功だって引き下がらない。解散ライブに来ていたのはたったの6人。6人しか自分たちの解散を知らない、今なら引き返せる。
俺は解散に納得していない……。
けれど、彪我も頑なだ。