2021年11月12日 07:00
草彅剛、再び挑む『アルトゥロ・ウイの興隆』で、さらに不気味に人々を熱狂させる
撮影:藤田亜弓
『アルトゥロ・ウイの興隆』は、ナチスに追われて亡命の旅に出たブレヒトが、ヒトラー率いるナチスがあらゆる手段を使って独裁者としてのぼりつめていく過程を、アメリカのギャングの世界に置き換えて描いた作品。2020年1月、KAAT神奈川芸術劇場で、白井晃演出、草彅剛主演にて上演されるや、ギャングのボスを演じた草彅のこれまでにない姿と、舞台に渦巻くエネルギーに、興奮する声があふれた。公演場所も公演回数も増えた今回の再演で、その興奮をさらに広げるべく、稽古に入った草彅。暴れる準備はできているようだ。
自分のすべてがかかっている
――今、どんな気持ちで2度目の『アルトゥロ・ウイの興隆』に臨んでおられますか。
大げさではなく、自分のすべてがかかっている舞台だと思っています。いや、いつもそう思っているんですけど(笑)、とくにこの作品は、歌って踊って芝居してと、これまでやってきた活動がすべて入っているので。自分の原点でもあり、自分の集大成になるなと改めて思っていて。
自分の人生をかけて演じなきゃいけないなと思っています。
――その思いが強くなっているんですね。
初演よりブラッシュアップしなきゃいけないですからね。